日本語 | English

■ 2月29日から3月30日にかけて、文房具をフィーチャーいたします。







Atom_feed
カントリーガール かぼちゃエール
ベアード・ビールが織り成す、秋季限定の詩的なビール

LINEで送る

「男心と秋の空」「秋の日はつるべ落とし」などの古のことわざ・慣用句を用いるまでもなく、秋はどこか詩的である。恐らくはその気候や「年末が近づいている感じ」など、複合的な要因が考えられるが、日本から消えつつある秋は、確かに我々の心に低温な空虚をもたらしてくれる。

では、我々がそんな秋に飲んでしかるべき、詩的なビールとは一体どのようなものか? 「豊作の秋」に倣った秋季限定のビールなどは数多く見られるが、本当にポエティックなビールとは? 静岡県沼津市内にその醸造所を構えるベアード・ビールが、毎年秋季限定・数量限定で送り出す「カントリーガール かぼちゃエール」にこそ、その要素を見出せるのではないだろうか。


ベアード・ビールの代表を務めるブライアンさん。彼の御母堂・サリーさんが、その昔、田舎町のミス・パンプキン(さだまさしさんの歌のそれではない)に選ばれたという思い出にヒントを得たかぼちゃエールは、喩えるならば、それぞれの土地や文化が持つ独特の郷土料理の風味を閉じ込めたビール、というところだろうか。(パンプキンには「田舎町」という意味もある)

通常のパンプキン・エールにはシナモンやクローブなどを多用するものだが、こと「カントリーガール かぼちゃエール」においては、かぼちゃ本来の味を最大限に引き出すために、麦芽、ホップ、酵母の他に用いるのはかぼちゃのみ。使うかぼちゃも「自分達の畑で育てた、無農薬栽培のかぼちゃ」というから、そのこだわりに恐れ入るばかり。

麦汁の中に、柔らかく煮込んだかぼちゃを入れ、発酵する。ビールを一旦作り、その中にかぼちゃのエキスを投入するようなものではないため、「ビール+かぼちゃ」ではなく「ビール X かぼちゃ」のごとし。その味は、断じてかぼちゃとビールが親の仇同士みたいにいがみ合うのではなく、それぞれがそれぞれを際立たせる、ある種の究極の調和をも感じさせる。

なぜ「カントリーガール かぼちゃエール」が、秋に似合う詩的なビールといえるのか? 詩とは、言うまでもなく個人の感情・感覚をその源泉とするもの。つまり個性的、いわゆる「キャラが立っている」ものでなければ、詩とは言えない。それと同時に多くの人が共感・共鳴できる「何か」を内包しなければ、これまた詩とは言えないのも、現実。その二律背反の「良質な同居」があってこそ、初めて詩的であると形容され得るのだ。


カントリーガール かぼちゃエール
アルコール度数:6.5%
原料: かぼちゃ、麦芽、ホップ、酵母
注: 2013年度分 完売
その意味で、その同居を可能なものとした彼らの「カントリーガール かぼちゃエール」は、秋を象徴する食材であるかぼちゃを使っているから秋に相応しい、というのだけではない。秋の本質に迫るビールである、と言える。「バランス+複雑さ=個性」というベアード・ビールの哲学に基づいた、「冬を迎える前に飲んでおきたいビール」NO.1であろう。

飲んだ後の余韻から感じるほのかなかぼちゃの甘みが、秋の日の心の侘しさに、そっと寄りそってくれるようである。


会社情報

・社名: 合資会社ベアードブルーイング
・住所:〒410-0843 静岡県沼津市蓼原町9-3
・TEL:055-952-6673
・ホームページ:ベアードブルーイング







 

志賀高原IPA
志賀高原ビールの看板商品は、ひとつの真理を携えて

牧場の夢
日本唯一、温泉水を使った牛乳焼酎