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「原田」
この純米酒は、「はつもみぢ」の死と再生を経て?

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いったい山口県という土地は、中国地方にあっても、扱いは極めてローカルである。すぐとなりには九州一の大都会、福岡県が構えているし、かたや東どなりには中国地方ずい一の都会、広島県がある。東京や大阪から見れば、どんぐりの背比べかもしれないが、住む人々にとっては切実な問題なのだ。

ローカルであることで何が問題かというと、人口が少ないことだ。自治体にとってはこれが死活問題になるし、産業面でも影響は大きい。人口が少なければ、いきおい、何の生産にしても小規模になりがちだ。1819年から続く酒蔵「はつもみぢ」にしても、年間出荷量は200石以下である。ただしこれは、「地方だから」などといった単純な理由からではない。

純米大吟醸『原田』
1819年から続く、と言ったものの、実際には1985年に醸造をストップし、2005年に再開するまで、約20年のブランクがあった。その間は卸売を生業としていて、当時の代表銘柄「初紅葉」も外部で醸造していた、いわゆるOEM商品だった。しかしその酒質に関する評判は悪く、12代目の原田氏は、自分たちの歴史に恥じない酒を造りたいと一大決心し、猛勉強。かくして、2005年に醸造活動を再開したわけだ。

およそ200年の歴史からすれば10分の1、20年程度のブランクかと思われるかもしれないが、実際に20年は決して短くはない。機材も土地も簡単には用意できない彼らの蔵は、とても小さい。これで大規模な生産は、物理的に不可能だろう。しかしその分、造る酒に原田氏の心が行き届いているのである。そのクオリティを認められて、近ごろは米国での取り扱いも増えてきているのだとか。

「はつもみぢ」の現在の代表銘柄は、「原田」。原田氏が造る「原田」である。山口県ならではの酒にしたいと、使われる酒造好適米・山田錦は、すべて山口県産。規模は確かに小さくとも、名実ともに山口県産の日本酒である。単に「地酒」と形容して片付けるにはもったいないほどの日本酒としてのクオリティは、生産規模で判断するには惜しすぎるだろう。




純米吟醸『原田』

内容量: 300ml、720ml、1800ml
原材料: 山田錦(100%)、米麹
アルコール度数: 15~16
価格: 300ml/700円、720ml/1600円、1800ml/3200円


株式会社 はつもみじ




 

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