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■ 8月31日~9月29日にかけて、「2016年のポップス」を(今頃)取り扱います







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オオバ ランドセル
ちゃんとしたランドセルを持つ意義とは

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東京都足立区は千住に本社を構える大峽製鞄。皇室で使われる薬箱なども手掛けている、いわゆる「皇室御用達」の鞄メーカーさんだ。そのラインナップには薬箱や革小物などがあるが、店頭やプロモーションを見るかぎり、主力商品はランドセルと思われる。「オオバ ランドセル」とは、読んで字のごとく、大峽製鞄のランドセル・ブランドである。

かのブランドの特徴は何か。それを語る前に、まずは「オオバ ランドセル」を持つ(つまり子供に与える)意義について考えてみたく思うゆえ、いささかスペースを割くことをご容赦頂きたい。何しろ安くても5万円前後はするランドセルであるからして。



大峽製鞄 × こども ビームス / スペシャル ランドセル 2018
重さ 約1.320 g
価格 69,120円(税込)

現在、日本では全国的に「お金持ち」が少なくなっているとされている。ごく少数の富裕層、そしてごく数パーセントの経済的最下層。この中間に位置していた、いわゆる中流が急速に減っている、もしくはゆっくりと貧困化しているのだ。早い話、日本人口のごく数パーセントにあたる富裕層を除けば、足並みを揃えて貧乏人になっているわけである。「赤信号みんなで渡れば怖くない」とは昭和の世にビートたけしが言った文句だが、それにならえば貧乏もみんなでなれば怖くないのだろうか。

この流れ自体は(多少のスピードの加減はあるだろうが)止まらない。止まる理由がない。なにしろ国民(の大多数)も日本政府も、その流れをヨシとして便乗したし、今もしているのだから。そのこと自体はもはや仕方がないと思うほかあるまい。

そんな世にあっては、当然子供の数は減る。満足に養育費を捻出できる家庭が減っていくわけだから。ランドセルを買うのも養育費のうちであるからして、世情を考えれば、ランドセルを「買う」という選択肢を選ばない方が賢いことになる。それ用のアプリを通じて他者とシェアするなり、あるいは親から子へ継承してゆくなり。となると、ランドセルを選ぶ際には、丈夫さやメーカーのアフターセール・サービスの内実が鍵となる。

「オオバ ランドセル」は、実はそういった観点から選ばれるランドセルなのでは、と思う。確かに高価なランドセルではある。しかしそれも無理からぬこと。今時珍しく職人の手縫いで作られて、しかもコードバンなどの本格的な素材を使っているのだから。そしてそれゆえに確かな耐久性が宿るわけだ。また「ロングかぶせ」と呼ばれる、独自設計のフタの構造など、さまざまな点において「地味かもしれないけどタフなランドセル」を実現している。昭和10年創業の老舗とあって、アフターセール・サービスにも抜かりはない。

鞄、あるいは子供の世界にも流行り廃りはある。しかしランドセルには、驚くほど流行性がない。であるならば親から子へ、あるいは孫へ受け継がせるべきランドセルとして、これはアリなんじゃないかと愚考する次第である。



大峽製鞄 × こども ビームス / スペシャル ランドセル 2018
重さ 約1.320 g
価格 69,120円(税込)

あと余談ながら、子供のうちから「ちゃんとしたモノ」を━━別に大峽製鞄のモノでなくたって良いのだけど━━持っておくことは悪いことではあるまいと思う。子供のころの経験として「ちゃんとしたモノ」をカラダが知っている、ということは、ひとつの財産になるのではないかと。

ランドセルにかぎった話ではなく、すべてのモノには送り出す方と受け取る方が存在する。受け取る方の審美眼がなくなれは、良いモノを送り出す方も衰退するだろう。何が良いかを知っているユーザーがいなくては、良いモノを作れるはずがないからだ。誰だって最初は「受け取る方」なのである。「良いランドセル」というひとつの文化を持続させるための第一歩は「良いランドセル」を持つことなのではないかと愚考するのだが、さてどうでしょう?



お問い合わせ先

・社名: 株式会社大峽製鞄
・住所: 〒120-0034 東京都足立区千住4丁目2−2 大峡ビルダイアパレス千寿
・電話: 03-3881-1191
・創業: 1935年
・ホームページ: 大峽製鞄





 

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