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『セキララ結婚生活』
『あたしンち』の作者が描く、結婚生活ドキュメンタリー

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結婚生活。赤の他人同士が、一定の契約の下に暮らし始めるというものは、それはそれは楽しいことも大変なこともある。

ここで「同棲も似たようなものじゃん」と言う人は、恐らく結婚を知らない人か、責任感が極端に欠如した人であろう。結婚は、家と家が結ばれる契約でもあり、つまりは社会に認証された公的関係なのである。その何たるかがピンと来ない人にも、うなずける人にも、「結婚」を楽しんで頂ける漫画が、けらえいこの描く『セキララ結婚生活』シリーズだ。


このシリーズは、けらえいこという1人の女性(漫画内での表記は「ツマ」)が、「オット」となる男性と結婚し、結婚生活を送る、その日常をコミカルに描いたエッセイ漫画である。

今日では、夫婦もののエッセイ漫画があちらこちらに乱立しているが、これはまさにその元祖と位置づけられる。シリーズ最初の『セキララ結婚生活』が出版されたのは1991年。シリーズを通して描かれている時代は、主に1990年代のものだ。

物語の時系列順に並べるなら、『たたかうお嫁さま』→『セキララ結婚生活』→『いっしょにスーパー』→『7年目のセキララ結婚生活』になるが、いずれの作品から読んでも楽しめる。基本的なキャラクターは「ツマ」と「オット」の2人であり、あまり物語が進むということはないからだ。


結婚式を挙げた後にはご祝儀の総額をワクワクしながらカウントしていったり、パソコンに夢中になりツマをないがしろにしたオットが夕食を抜かれる羽目になったり、ツマが勝手に本棚を整理してオットから駄目出しをされたり。漫画の中では平凡な夫婦2人の日常的な、しかしどこか笑える風景が描かれてゆく。これがいわゆるノロケではなく、ちゃんとエッセイとして、また漫画として成り立っている手腕はさすがといおうか。

何より、主人公2人の「普通さ」がこの作品を魅力的にしている。読んだ人は誰でも、この日本の一般的な夫婦に自分(自分たち)を重ねて楽しめるからだ。別に、人に言えない恋の果てでもなければ、極端なピンチを切り抜けたわけでもない。国際結婚でもなければ、芸能人との結婚でもない。どこにでもいる夫婦の実像が描かれているのだ。

結婚している人、結婚を考えている人、結婚したい人、結婚の実態に興味がある人、いろいろな人に一読して頂きたいシリーズである。


作品情報

・作者:けらえいこ
・出版:メディアファクトリー

・『セキララ結婚生活』(1991年)
・『たたかうお嫁さま』(1992年)
・『いっしょにスーパー』(1994年)
・『7年目のセキララ結婚生活』(1999年)







 

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