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■ 3月31日から4月29日にかけて、時計をフィーチャーいたします。







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「ベンチ・メイド」
一生、あるいは半生を共に歩む伴侶としての靴

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東京、世田谷。住宅街であるためか、新宿や丸の内などよりも人口の高齢化が際立って見えるこの街の一角に、「ベンチ・メイド」がある。そのターゲットに老若男女を問わず、「その人だけのための靴」を作り続ける、ビスポーク・シュー・メーカーの大川由紀子さんが2006年に立ち上げたブランドであり、工房だ。


Type: WHOLE CUT ROPE SEAM
Price: 税抜310,000円(シュー・ツリー込み)
大川さんのプロフィールを簡潔に言うと、靴の本場・イギリスのカレッジで靴作りを学び、その後「ジョン・ロブ」に就職。そこで8年勤め、靴の全工程をこなせるようになり、日本へ帰国し、イギリスで体得したものの再現と更なる発展に尽力している・・・という通り、スキルやセンスに心配はご無用だ。

ベンチ・メイド、その単語が意味する所は「ハンドメイド(手作り)」と同じと言えば同じだが、違うのは職人が靴作りの一から十まで請け負うという意味を持つところだ。さらに靴作りの後も、つまり完成して手渡しして一丁上がり、ではなく、その後のケアも「ベンチ・メイド」は怠らない。

足は生きている中で常に同じ状態ではない。靴とて同様、使ううちに変化する。「ベンチ・メイド」製の靴を、その時の足に合わせ修正してくれるのだ。解剖学なども独自に学習した大川さんの修正は、ただ靴の幅を広げたり狭めたりするのではなく、その人の足の状態を見て、適切なフィッティングを施すもの。いわば、「一足の靴の的確な可変」の実現だ。


Type: U-TIP DERBY
Price: 税抜310,000円(シュー・ツリー込み)
先ほど彼女の経歴をざっと羅列したが、それはブランド主義を前提にしたわけではない。「ビスポークの精神」を大川さんは本場・イギリスで体得している、と伝えたかったからだ。何十年もの間、その人の足に文字通り寄り添い、歩み続ける伴侶のような存在としての靴。ビスポークの靴を求める意義はそこにある。確かに価格だけ見れば30万円前後と、買う側からすると決して安いとは言えない。しかし良質な伴侶を得ることを思えば、安いとは言えまいか。結婚経験者なら、特に。

彼女は帰国後、現在に至るまで靴作りの教室も開いている。中には自身の工房を開いた卒業生もいる。「自分が死んだ後も、自分の作った靴をケアできれば」という大川さんの展望が叶いつつあるのだ。作り手本位ではなく、それを履く人のためのシュー・メイキング。その概念こそ、「ベンチ・メイド」なのである。



お問い合わせ先

・店名: ベンチ・メイド
・住所: 〒157-0066 東京都世田谷区成城6-5-25 第一住野ビル408号室
・電話: 03-3484-6133
・公式サイト: ビスポークシューズ Bench Made
・公式ブログ: Yukiko Bassett bench work study
・「ベンチ・メイド」代表の大川さんへのインタビューはこちら







 

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