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■ 3月31日から4月29日にかけて、時計をフィーチャーいたします。







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ターニング
セルロイド以外なら、おすすめだが・・・

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谷口眼鏡が1996年から展開しているメガネ・ブランド「ターニング」。もともとOEM(他社ブランド名義での製造)を中心としたメガネ作りをしていた谷口眼鏡だが、それは他者(他社)に自らの運命をゆだねることとほぼ同義であり、自社ブランドも展開しないとまずいのではないかという危機感から立ち上げた自社ブランドである。ブランド名は、自分たちにとってのターニング・ポイントだという意味を込めている。

1957年に創業以降、一心不乱にメガネ作りをしてきた谷口眼鏡だけあって、その品質は折り紙つきだ。実際、「ターニング」のメガネは、国内最大とされる眼鏡展示会IOFTのメンズ部門で、グランプリを2013年から3年連続で受賞している。たとえば、日本人の顔に適したフレームの仕上がり(「ターニング・カット」と呼ばれている)など、日本人にとって不足のないメガネを作り続けていればこそ、だろう。



しかし筆者は、個人的には「ターニング」を手放しでは薦められない。このブランドが有名な要因の1つに、セルロイド製のメガネを作っているというのがあるからだ。もちろん谷口眼鏡では他の素材を使ったメガネも作ってはいるのだが、昨今、セルロイドで作ったメガネなど珍しいので(昔はポピュラーだったが)、そのハイクオリティと相まって評判になったというわけだ。セルロイドとはギターやベースのピックと同じ素材と思ってくれれば良い。

確かにセルロイドは、現在主流となっているアセテートと比べて、固くてタフだし(ギターの弦を弾くのに使われるくらいだから)、ウデの良い職人がそれで作ったメガネは肌ざわりもいい。昨今のレトロ・ブームでウエリントンやボストンという形のメガネが流行り出したこともあって、注目度も高い素材だ。

反面、セルロイドは熱に弱い。およそ90℃程度でグニャつきだし、160℃前後になると発火の危険性があるという。そんな高温に接するなんてことは、滅多にない。しかし絶対にないとも言い切れまい。前に何処かにも書いたが、筆者は以前、サウナでメガネが溶けだしたという経験を持っているので、熱に弱いセルロイドのメガネを薦めると、それはウソになってしまうのだ。



TURNING 椿 TS-708
サイズ: 51□17-137

カラー: ローズピンク(フロント)、ピンクマーブル・ミルクラメ(テンプル)
備考: カラーは全部で7種
価格: 25,200円(税込)

とはいうもののこの「ターニング」、日本人が掛けるメガネとしての品質は確かに良いのだから、セルロイド以外の素材から選ぶ分には申し分ない。しかし、セルロイドは薦めない。


有限会社谷口眼鏡|TURNING







 

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