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■ 3月31日~4月29日にかけて、「日本のお菓子」を取り扱います







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ポッキー
江崎グリコによる、ブリッジ的チョコレート菓子

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「ポッキー」とは、江崎グリコが展開する、スティック状のチョコレート菓子である。同社が1966年に発売して以来2017年の今日まで愛され続ける、ロングセラー商品だ。コンビニ、スーパー、キオスクから移動商店まで、日本中の至る店舗で、私たちは「ポッキー」を見つけることができる。その歴史と身近さを考えれば、日本を代表するお菓子のひとつと定義しても決して間違いではあるまい。

もともとは、グリコの既存商品「プリッツ」のチョコレート版という位置づけだった。開発の背景には、1960年にカカオ豆の輸入が自由化されたのを機に、国内でチョコレートの普及が始まったことなどがある。現在まで続く、スティックの一部分はチョコでコーティングしないというスタイルは、気軽に手で持って食べられるように、との配慮からだった。この配慮は、江崎グリコの地元である大阪の名物、串カツがヒントになったという。

個人的な話で大変に恐縮だが、「ポッキー」というと、どうしても王様ゲームを連想してしまう。何人かが集まって、王様をくじ引きで決め、その王様の命令━━例えば1番と4番が逆立ちをして一気飲みの速さを競う、など━━に従う、おそらくは異性がいない状況ではやらないであろう、あのゲームだ。果たして今も王様ゲームってあるんだろうか?




このゲームの眼目は、ひとつの集団における異性間の距離を縮める、その一点である。よって、ゲーム内で繰り出される命令は、次第にセクシャルな方向に行かざるをえない。次第に、というところがミソだ。なんぼなんでもいきなり「2番と5番がキスをする」なんて命令を出しては、現場に抵抗が━━それは主に女サイドに━━生じる。言い換えれば、この抵抗を場においていかに減らしていくかがカギになる。だからして、その場の全員の雰囲気を読み解き、グラデーションを描くように、徐々にセクシャルな方向に持って行かねばならないのだ。

その「次第に」「徐々に」の部分において、「ポッキー」の出番がかなり高確率であると思う。先述のように、どこにでもある定番のお菓子なので、手に入りやすい、全員に馴染みがあるなどが、「ポッキー」が選ばれる要因だと推測する。ともあれ、ゲーム内で「1番と5番が1本の『ポッキー』を両端から食べる」といった命令がどこかであるはずだ。この場合の1番と5番は、本来的には男と女であるべきだが、同性同士の場合もある。この命令はかなりセクシャルな方向に寄っている。両端からポリポリ食べて行けば、いずれキスに帰結するからだ。

「ポッキー」とは、単なるスティック菓子にあらず、男女間を隔てる深く長い河に架けられたブリッジ的象徴でもあるのだ。そう思いながら「ポッキー」をかじると、感慨深いものがある。このスティック菓子は、日本のほとんどの人の脳内で共有されうる象徴的存在なわけで、1本の「ポッキー」を食べ終わるまでの刹那、自分が「ポッキー」を介し、誰かと繋がっている気がして。


会社情報

・社名:江崎グリコ株式会社
・創設:1929年
・従業員数:約1106人(2015年度)
・本社所在地:大阪府大阪市西淀川区歌島





 

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