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カイノール
群栄化学工業の「燃えにくい紙」は、今も発展途上に

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先日、NASA・ゴダード宇宙科学研究所が予測したところによると、2013年は過去最高の暑さになり、これからも夏ごとに気温は上昇する傾向にあるといいます。人体の脳は熱に弱いですから、外気温が45度程度になったら、もう我々はアウトです。


元々の繊維状の「カイノール」。
金髪のウィッグみたいですね。
では、同じく熱に弱い紙は何処まで耐熱性・難燃性を備えられるのか? 群栄化学工業がフェノール樹脂(耐熱性のあるプラスチックと思って下さい)を溶融紡糸して作り上げた「カイノール」は、それ単独(他の材質と組み合わせたりしない状態で、という意味)で150度程度まで、それ以上の温度でも溶けたりはしないという、燃えにくい紙なのです。

古くはエジプト・アレキサンドリアの図書館の火災で、多数のパピルス文書が失われたなどの事例から、火に弱いことは紙の宿命とも言えましょう。「カイノール」は、その宿命への反逆の徒たる紙でもあるわけです。


多種多様な要素と組み合わせたり
加工したりする事で「カイノール」は
色も質感も様々に変化するのです。
戦後、水アメ(デンプン糖)製造会社として幕を開け、その後は他社へのフェノール樹脂の提供などを行うようになった群栄化学工業ですが、約40年前、世界唯一のフェノール樹脂系の繊維「カイノール」の工業化に成功。以降は時代のニーズに応じて、摩擦材など様々な形で「カイノール」を供給し続けています。

「カイノール」は多種多様な要素と組み合わせたり加工したりする事で、特性と用途の多様化を図れますが、中でも近年、その用途・需要が急速に拡大しているのが「カイノール活性炭繊維」。活性炭繊維といえば、その吸着性の高さなどから今や超売れっ子の多孔質材料のひとつですが、この「カイノール活性炭繊維」、並み居る活性炭繊維の中でも強度が強く、柔軟性もあり、比表面積が大きい(なんと1グラムで学校の運動場並み)ということで、最近では空気清浄機や医療用マスクのフィルターなどとして躍進を遂げています。

今後も様々な用途での発展が期待されているため、「カイノール」の国内・国外の使用率は、今は7:3だそうですが、国内外問わず、これからも「カイノール」による宿命への反逆はまだまだ続きそうです。


会社情報

・社名:群栄化学工業株式会社
・設立:1946年
・本社所在地:〒370-0032 群馬県高崎市宿大類町700番地
・電話番号:027-353-1818
・工場:埼玉県、群馬県、滋賀県
・ホームページ:群栄化学工業株式会社







 

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