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レーザーエコペット®
破れにくくて水にも強い、帝人の次世代の印刷情報用紙

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現代日本において紙の最大用途は、誰が何と云っても何も云わなくても、印刷・情報の分野での流用でしょう。国内での品種別生産量・使用量は、新聞用紙が最たるものですし、次点は印刷用紙ですからね。

さて、その印刷情報用紙に適した紙を塗工紙(とこうし)と言います。インキの吸収性などを改良した紙と思って頂ければいいのですが、1980年代以降は微塗工紙という、それまでの塗工紙より塗料が少なくても印刷適正を持てる紙(1平方m辺り両面に12グラム以下の塗料)が多く使われるなど、需要の多さゆえ近代は塗工紙のゴールデン・エイジとなっています。

繊維の大手・帝人では従来、新たに石油を使わずペットボトルをリサイクルして作る環境負荷低減繊維「エコペット(R)」を展開していましたが、今年(2013年)の3月に、それを一歩推し進めた、「エコペット(R)」の塗工紙版ともいえる「レーザーエコペット(R)」を発表しました。要するにポリエステルで出来た印刷用紙なわけですが、その他の印刷用紙と比べて、とにかく破れにくく水に強いのです。


左:レーザーエコペット 右:普通紙
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通常の紙の中の繊維と繊維は、水素結合で結びついています。だから水に濡れると結合が脆くなり、紙がダメになるのです。ところが水素結合ナシに繊維を結合させて出来た紙というのがありまして、それを不織布(ふしょくふ)と言います。ここでは、「そういった技術のおかげで出来た、耐水性・導電性など、通常の紙にない性質を有する紙=不織布」程度に考えておいて下さい。帝人の開発した「レーザーエコペット(R)」も、この不織布の一種という訳です。

これまで耐水用紙として使われてきたフィルム紙では難しかった折り目付けやボールペンでの書き込みなども容易という、「レーザーエコペット(R)」。元来は自社社員の名刺に使うなど、主に身内で使うだけの紙だったらしいのですが、晴れて今年、一般展開のはこびとなりました。

破れにくくて水にも強いわけですから、結婚情報誌やおみくじなんかに用いられたら、縁起が良さそうですよね。


エコペットのリサイクル工程
(クリックで拡大表示)


会社情報

・社名:帝人株式会社
・設立:1918年
・従業員数:16637人(2012年度)
・本社所在地:〒541-8587 大阪府大阪市中央区南本町一丁目6番7号
・電話番号:06-6268-2132
・ホームページ:帝人株式会社







 

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