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竹紙(たけがみ)
中越パルプ工業による、伐採された竹から作られた紙

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皆さんのご近所に竹林、ございますか? 成長力も凄く、ピーク時には1日に1m以上伸びることもあるという竹。その「生きる力」は逞しく感心させられますが、光あるところ影あり、と言うように、野放図に伸びた竹達は、その森林において周囲の植物を害する存在にもなるため、全国的に竹林の管理は急務的課題となっています。


竹を伐採して転がすだけでは
森林管理とは言えません
とはいえ、ただ竹をバッサバッサ切っていくだけでは、森林管理にはなるかも知れませんが、なんだかもったいないですよね。しかも、切った竹をそのまま大量に放置しておくしかなかったのが、ひと昔前の惨状でした。そこで中越パルプ工業では、伐採された竹を有効活用してゆく取り組みを、1998年より始めました。そして生まれたのが、竹から作られた紙「竹紙(たけがみ)」です。

もともと紙というのは古代中国で発明され、高句麗の僧によって西暦610年に日本へもたらされたもの。竹から作られた竹紙(ちくし)も、唐の時代には中国に存在していたと言われていますが、日本においては極めて稀なモノです。

前述のように、森林における竹害は、今や国内の深刻な問題のひとつ。そして伐採した大量の竹の有効利用も、また然りです。そこで中越パルプ工業では、竹の集荷体制の構築を手始めに、竹を使って紙を作る「竹紙作り」に乗り出したのです。


鹿児島県・川内工場の様子
(クリックで拡大表示)
実に長い道のりではありましたが、地道な努力の甲斐があって、2009年には国産竹100%の紙の生産・販売に辿りつきました。現在では、国内では同社のみが、竹紙をマスプロ向けに展開しており、今や年間約2万トンの竹から、竹紙(たけがみ)が作られています。

「木に竹を接(つ)ぐ」というコトワザがあります。物事が不揃いであったり、不釣合いな状態であったりを意味するものですが、この竹紙は、木材を材料とした通常流通している紙に遜色のない使い心地を実現しています。

ちなみに皆さん、ご存知でしたか? 竹って、木じゃなくて草なんですよ(イネ目イネ科です)。日本の紙は、99%が木材パルプを材料に作られていますが、木からのみではなく草からも紙が作れる、というお話でもあります。


左:竹紙 右:竹紙で作られた短冊
(クリックで拡大表示)


会社情報

・社名:中越パルプ工業株式会社
・創業:1947年
・従業員数:854人(2011年度)
・本社所在地:〒933-8533 富山県高岡市米島282
・電話番号:0766-26-2401
・工場所在地:富山県、鹿児島県
・ホームページ:中越パルプ工業株式会社







 

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