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■ 3月31日から4月29日にかけて、時計をフィーチャーいたします。







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日本の酒
加藤吉平商店11代目当主

加藤 団秀

< 2012年01月30日 >


「昨年(2011年)は特に東日本大震災などがありまして、そのような中で飲んだ方に、飲んで「自分の道がひらけた!」と云って頂けるような、そういう日本酒を目指しております」


■そう語るのは、日本の酒文化を代表する銘酒『梵』シリーズの造り手、加藤吉平商店の11代目当主・加藤団秀氏。続けて、タイトルの「梵」に込めた思いについて、丁寧かつ饒舌に応えてくれた。

「英語表記では梵は「BORN」としているんですが、これは「輝く未来の誕生」という意味を込めています。同時にフランス語では「素晴らしい」という意味もあります。サンスクリット語では「真理」を意味します。日本人の本質を日本酒で表している意味もこめています。真理を探究し、輝く未来を作るという」


■さて、記事でも紹介した、目と舌の肥えた各国のVIPもその味に感動する『梵 超吟』であるが、これはいつ頃から作られたものか。

「『梵 超吟』を作り出したのは・・・今からもう20年以上前になりますかね。超吟というくらいですから、まずは吟醸酒、もともと造っていた吟醸酒を超えるものを、というところから始まっています」


■『梵 超吟』には最高級といえる材料と工程が用いられているが、中でも精米歩合20%という数字が目をひく。精米歩合は、元々の米をどれだけ削ったかの割合で、日本人が普通食べるご飯は精米歩合90%程度(つまり米の10%を削っている)。銘酒とされる日本酒でも、大抵は60~40%なのに、である。その歴史について訊ねてみた。

「精米歩合にしても、最初は35%からでした。それが30%になり、25%になり、ついこないだまでは21%でした。そして(2012年)2月からの分は20%と、どんどん磨きを掛けています。ですが、それは精米歩合にこだわるというよりも、その時代その時代に求められる最高の日本酒にするべく、というところです」


■加えて、マイナス8℃で『梵 超吟』は5年間貯蔵・熟成される。これは何故なのか。

「長期常温貯蔵よりも氷温の方が、香りがなめらかになりますから。老香(ひねか)が出ない。それを経験で知っていますから。だから熟成の具合に関しては、日本のトップクラスのものと思います」