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■ 3月31日から4月29日にかけて、時計をフィーチャーいたします。







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■確かに『梵 超吟』はその香りが素晴らしい。すると、ここで思わぬ例え話を聞かせてくれた。

「車とかと同じです。たとえば、昔は最高級車ってクラウンだった。それが時代の移り変わりと共にレクサスになったり、また別の車になったり。その時その時で最高品質の意味するところは変わるけど、常にそこを目指すという」


■なるほど。しかし、ここまで自分達の日本酒造りとその品質にこだわりを持っている蔵の、市場の需要に対する供給バランスはどのようなものか。また、国内のみならず国外の人間も絶賛するくらいなのだから、海外展開などはいかがなものなのだろうか、訊いてみた。

「生産量はもうここ10年以上、上がり続けています。ただ、やはり残念ながら、それでも需要に対して供給は15%くらいしか応えられていないのが現状です。だから海外展開はほぼ無いです。日本の皇室関係の席とか、ベルギー王室のケータリングとかには用いられることはありますけど、それでも生産量の1%にもならないぐらいの量です。地元でもすぐに無くなりますから」

「やはり大量生産となると、品質に目が届きにくくなる。莫大な設備も必要になりますし。だから何処で線引きするか、ということと思います。ただ、うちの酒に関しては、量の面では今のところはご勘弁頂くしかないというのが現状ですね」


■最後に今後の展望などについて訊いた。すると「『梵 超吟』に関しては今のまま、ウチのトップクラスの酒であり続けるように邁進するだけです」と断った上で、日本酒の造り手としての心意気と、日本酒代表といえるほどの銘酒を生み出す酒蔵ならではの自信と決意溢れる次のコメントで締めた。

「飲んだ方に本当に晴れやかな気分になってもらえる、先ほども言ったように、道がひらけた感覚を持ってもらえるような、素晴らしいお酒を目指す。本物の日本酒を目指してゆく、と。次代も日本の酒文化のフラッグ・シップであるように・・・というところです」



(インタビューと文:三坂陽平)