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日本のマンガ
国際マンガ研究センター 研究員

ユー・スギョン

< 2017年01月21日 >

日本のマンガが他国でも人気を博していると報道されたり、伝えられたりすることがあります。というものの、実態は国や地域に、あるいは時の政情によって異なるとは思います。たとえば、IS(イスラム国)に苦しめられている人たちに、マンガを楽しむ余裕は、恐らくないはずですから。

京都精華大学国際マンガ研究センターの研究員、ユー・スギョンさんは、生まれは韓国ですが、日本のマンガに興味を持ち、やがて日本やカナダを訪ね、マンガに関する研究を重ねてきた方です。国外からの視座を持つ「マンガ観」を求め、ユーさんに、インタビューにお付き合い頂きました。



■ 宜しくお願いします。ユーさんは、研究員になられる前は精華大の学生さんだったと伺いました。

ユー・スギョン(以下、Y): もともと2004年頃から京都精華大学でマンガを勉強していたんですね。それは博士課程まで行ったんですけど、博士課程の時に、他の国のマンガも学びたいと思ったんです。それまではずっと日本のマンガを中心に勉強してきたので、視野を広げたいなと。

一年間休学して、それまでに貯めていたお金を全部使って、フランスやカナダで語学を学び、その他、何十か国と旅行しました。ひとつ思ったのが、どこへ行っても「日本のマンガ」を読んでいる人はいる。コロンビア人の友達から『キャンディ♥キャンディ』が好きと言われたり(笑)、フランスの田舎町のカフェで出会った、凄いコワモテの黒人男性が、『るろうに剣心』が好きと目を潤ませて言ってきたり(笑)。


■ それは驚きますね(笑)。

Y: 文化圏も環境も、まったく違う人たちなのに、なんでみんなこんなにマンガが好きなんだろうと思いました。だから日本に帰ってきた時、私も国際的な仕事に携われたら良いなと思って、当時の担当教員だった今の上司に、いきなり言ったんです。卒業したら国際マンガ研究センターで働きたいですと。そしたら一年後、卒業を控えた時に、その先生から研究員の仕事を紹介して頂けて、研究員になりました。



ユー・スギョン

1986年、韓国生まれ。
幼い頃からのマンガ好きが高じ、
韓国アニメーション高校に進学。
2004年に渡日し、京都精華大学、
同大学院にて、マンガについて修学。
卒業後、国際マンガ研究センターに
研究員として就職。
韓国語、日本語のみならず、
英語、仏語も勘能。
幼少期の愛読誌は『りぼん』。

■ 言ってみるもんですね(笑)。

Y: はい(笑)。そもそもどういう仕事か分かってなかったんですけど、執筆や、イベント・展覧会の企画や、海外の方との打ち合わせなど、いろんな仕事があるので、飽きっぽい私には向いていたのかな、と思います。仕事内容は・・・だんだんと国際関係の仕事が増えてきてはいますね。

国際関係の仕事とは、たとえば、マンガ原稿の展示の問い合わせが海外から来ます。でもマンガ家さんからしたら、自分の原稿を海外に持ち出されるのは不安ですよね。「原画ダッシュ」という、マンガ原稿の保存と公開を目的としたプロジェクトを、精華大の竹宮学長をリーダーとして進めていて、私もそのプロジェクトの一員なんです。簡単に言うと、原画と見分けがつかないほど精巧に作られた複製原画なんですが、その「原画ダッシュ」を使って、海外の展示を実現します。「原画ダッシュ」なら万一のことがあっても、替えがききますから。


■ つまり海外の人々と、マンガ家さんや出版社さんとの橋渡しですね。

Y: そうですね。その他、現地でワークショップを実施したり、講演会をしたりもします。アナログかデジタルかで言いますと、今はタブレットでマンガを描かれるマンガ家さんも多いですが、最初からデジタルを使っている人より、アナログ派の人がデジタルを使った方が、表現の幅が広がるんですね。なので、最初はアナログで描くことを、ワークショップや講演会では推奨しています。


■ 縦スクロールの電子書籍など、従来とは違う形式のマンガも今はありますが。

Y: LINEマンガなどですよね。実はそれが一番広がっているのが、私の母国である韓国で、現地では「ウェブトゥーン」と呼ばれています。韓国を中心に中国でも広がっていますが、決してそれのみではないので、この国はこの形式だと、ひと括りにはできません。紙のマンガを含め、いろんなスタイルが混在している感じです。だからこそ、最初にアナログの手法を体得しておくとストライク・ゾーンが広くなる、様々なスタイルに対応できると思います。