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■ 8月31日~9月29日にかけて、「2016年のポップス」を(今頃)取り扱います







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編集余談

私はそんなに本を読む方ではないのですが、周りからはよく読書家だと言われます。まぁこういうのって相対的な評価なのでしょう。歩くのが速いともよく言われますが、私よりゆっくり歩く人がいて、初めてその評価が成立するように。そんなわけで、今回は「比較的読書家」の私が最近読んだ本をいくつか取り上げ、お茶を濁すという安直な企画(と呼べるほどのものではない)です。


・養老孟司『京都の壁』(PHP研究所)
私が知性面で師と仰ぐ養老さん(こんな人がきっと日本中にうじゃうじゃいるんでしょうね)の今年の著書。壁シリーズではありますが、出版は新潮社さんではありません。壁シリーズの例によって聞き書きスタイルです。読みやすいのですが、たまの誤字脱字が気になるところ。京都に興味がある方や、京都に馴染みのある方(大阪在住の私のように京都の近隣にお住まいの方など)は、一読の価値があると思います。


・村上春樹『村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事』(中央公論新社)
私は村上春樹さんの小説を読んだことがほとんどありません。が、彼が翻訳家としても活躍しているのは存じ上げていましたので、その足跡をひとまとめにした資料ということで購入。はなはだ不勉強な話ですが、レイモンド・チャンドラーなども手掛けておられたとは、この著書を読むまで知りませんでした。実に手広くやっておられる、と同時に、彼の方針には、頑固な職人気質も見え隠れしています。


・松任谷正隆『僕の音楽キャリア全部話します』(新潮社)
現在、あるいは過去に、音楽産業にちょっとでも携わったことのある人なら、必読の書ではないでしょうか。ご存知、ユーミンのご主人であり、音楽家でもある松任谷正隆さんへのインタビュー本です。昭和中期以降の音楽シーンに、ディープに関わってこられた松任谷さん。ユーミンの最新作のみならず、大滝詠一さんからゆず、果ては晩年の蜷川幸雄さんまでが話題に上がってきます。良い音楽とは何か、レコード産業の盛衰を横目にミュージシャンはいかにあれるかなど、この本から学ぶところは多いと思います。


・愛染恭子『セックスでわかる頭のいい人・悪い人』(KKロングセラーズ)
以前、代々木忠監督にインタビューをしたことがありますが、その折に話題に出た愛染恭子さんの著書です。本屋で買いにくいタイトルやなぁ、というのが第一印象ですが、内容はセックスに関する男女の価値観や接し方の差に重きを置いたものとなっています。たとえば女性(言わずもがな著者は女性です)にとって、冬は寒くてつらいばかりの季節なのに、男性は「人肌が恋しい」とか「クリスマスだから」とか言って浮かれてベタベタしてくる。正直かなり面倒くさい、とは女性が書くからこその説得力があると思います。




(三坂陽平)