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■ 6月30日~7月30日にかけて、「日本の鞄」を取り扱います







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編集余談

吉本新喜劇の酒井藍ちゃん(馴れ馴れしいようだけど、新喜劇を一観客として見ているときは彼女のことをいつもこう呼んでいるので)が、このたび新しく座長に就任された。うちとは直截関係のない話だけれど、別にだれかからお金を頂いて書くわけでもないから、知ったこっちゃない。とにかく酒井藍ちゃんである。

藍ちゃんと呼ぶくらいだから、女性だ。吉本新喜劇で女座長が生まれたのは、史上初なんだとか。ずっと前に未知やすえさん(内場座長の奥さんだ)が座長をつとめた公演があった気がするが、あれは期間限定、パートタイム座長だったらしい。しかも藍ちゃんはまだ三十歳。お若いですなぁ。

保守的な人は「酒井藍に座長がつとまるとは思わん。早晩潰れるに違いない」とか「まだ経験が足らんのとちゃうか。うまくベテランを使えるんやろうか」とか言う。実際にそんな声を聴いた。まぁそれらの危惧はもっともではあるが、若い人の台頭で良くも悪くも新しい風は吹く。それが新喜劇にとって重要だと思っている。

現在の座長でベテランは内場座長と辻本座長だ。お二人は1999年より座長をやっておられる。だが辻本さんの場合は、特にアキさんと組みだしてからと思うが、正直、マンネリ過ぎる感が否めない。「茂造」が一人で暴れていたときの方が、まだ幅があったように思う。内場さんの場合は、古典としての新喜劇を継承しているからだろう、辻本さんほどマンネリ感はないが、それでも未来を感じるかと言えば感じにくい。安定感は抜群にあるのだが。

藍ちゃんが座長をつとめる。どんな新喜劇になるか、わかったもんじゃない。それが未来を感じさせるということだ。未来とは、不確定性そのものだからだ。加えて、年齢的なことを考えればのびしろもある。プレッシャーもあるだろうが、頑張ってほしい(私なんかに言われなくても、充分頑張っておられるとは思うのだけど)。

今年の三月、新喜劇の看板女優の一人、浅香あき恵さんのアニヴァーサリー・ライヴを観劇した。まずはオープニング。浅香さんご夫妻によるドツキ漫才(?)の後、新喜劇本編が始まった。暗転。いきなり出てきたのが藍ちゃんだった。あれは何かの暗示だったのかもしれないなと、今では思う。バトンを託されるべき若手女優が、バトンを渡す側であるベテラン女優のスペシャル・ライヴのアタマに単独で登場していたのだから。

藍ちゃんの座長就任公演がもうすぐ催される。できたら見に行きたいが、果たして━━。ともあれ、藍ちゃん、おめでとう。


(三坂陽平)