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『仁義なき戦い』
戦後ヤクザのリアルを描いた群集活劇

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「ヤクザ」という言葉は、もうすでに日本の領域のみならず、世界的に「ジャパニーズ・マフィア」なる意味を以て通ずるようになった。さる2011年にはアメリカのオバマ大統領により金融制裁が科させられた(つまり米国内でのヤクザの資産凍結である)ほど、国際的犯罪組織として認知されているのだ。

だが、そんなヤクザの世界はあまり日本の一般層には認知されていない。(娯楽モノのため仕方ないと言えば仕方ないのだが)彼らをカリスマ・ヒーロー扱いする一部の映画やVシネマなどからのイメージが大半ではないだろうか。

『仁義なき戦い』

監督:深作欣二
脚本:笠原和夫
出演:菅原文太・松方弘樹 他
配給:東映
上映時間:99分

さて、日本のヤクザ映画の金字塔として名高い『仁義なき戦い』。これは1950~1972年に広島で実際にあったヤクザの覇権闘争、通称「広島抗争」の実録映画でもあり、権力闘争に翻弄される人々を描いた群集活劇でもある。また、裏社会の戦後史としての価値も最近では再評価されている。

この映画の魅力は一言では語りつくせない。大胆な演出、スピード感溢れる展開と編集、役者達の演技力、綿密な取材の積み重ねによるリアリティなどなど。映画のほぼ全編が最高潮であるといっても過言ではなかろう。息つく間もないとはこの作品のための言葉ではないかとすら思う。

また、舞台が広島や神戸のため、撮影にあたって役者陣は方言の収得にノイローゼ気味になるほどであったと語り継がれる。翻って言うなれば、それほどまでに妥協無く練り込まれた傑作映画であるということだ。

映画は大ヒットを記録。のちにビデオソフト化された際も邦画史上空前のヒットを記録した。2000年代に入りDVD化されたが、やはり東映作品の中では随一の売上をほこるという。海外での評価も高いため、英語字幕付きDVDが国外でもヒットしている。






 

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