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『イノセンス』
日本のアニメにおける「発明」は、この映画なのか

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日本ではメチャクチャ有名な映画が海外では無名というのは、よくある話です。日本のアニメが世界的に認められているなどとメディアは無責任にまくし立てますが、台湾など一部親日的な国を除いては、日本とは大きくカルチャー・ギャップがあることを我々は認識して、国際社会を闊歩しなくてはなりません。


反対に、海外では有名なのに日本では無名というのも、コレまたよくある話です。ポップスでいえば、少年ナイフなどがそれにあたりましょうか。国が違えば文化も違う、当然そこに発生する需要も違ってくるというわけですね。今回紹介する『イノセンス』(2004)は、まさにその例にピタリとはまるアニメ映画といえるでしょう。

世界的に有名な映画の祭典、カンヌ国際映画祭。誰しも名前くらいは耳にしたことがあるかと思います。その中心部門であるコンペティション部門で初めて上映された日本のアニメ映画、それが『イノセンス』なのです。その公開範囲は日本とフランスのみならず、アメリカ、ノルウェー、韓国、イタリア、イギリス、ドイツなど多岐に渡ります。

映画『マトリックス』は恐らく日本人のほとんどがご存知でしょう。あの弾よけのシーンのインパクトだけでも記憶に残っている人は多いはずです。しかしその元ネタとなった『ゴースト・イン・ザ・シェル/攻殻機動隊』となると、観たことがある人はだいぶしぼられてくるのではないでしょうか。


『イノセンス』はその続編にあたります。カメラマッピングを駆使した、2D画面に3Dのような奥行きを感じさせるシーンがあるなど、そのアニメは確かに「これまでのアニメ」とは違うところへ行こうとする意欲に満ちています。

物語に関しては、「脚本作りはある程度のセオリーがあり、それにのっとっていれば別に苦労はない」と語る押井守(監督)の手によるものですから、過度の期待は禁物かもしれません。とはいうものの、「人形」をテーマのひとつにした物語は、巧みな映像技術と音響技術を媒体として、独特の視点を観客に訴えます。

ちなみにこの映画、ジブリのプロデューサーとしても有名な鈴木敏夫がプロデューサーを務めたせいでしょうか、DVD発売時には本映画に携わっていない宮崎あおいさん(俳優)等がそのCMに起用されたりもしました。「なんで?」と思わせられる有名人の起用は、彼のシュミなのでしょうか。


作品情報

・監督: 押井守
・脚本: 押井守
・原作: 士郎正宗
・配給: 東宝
・公開: 2004年3月6日
・上映時間: 100分







 

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