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『HK/変態仮面』
着ぐるみを「着る」ばかりがヒーローじゃないだろう

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発想の転換というのは、ビジネスにおいても生活においても極めて重要である。人が右に流れたら、対極である左へ思考を馳せる。それは柔軟性のみならず、ひとにぎりの勇気と克己心をも必要とすることは想像に難くないだろう。


そういった意味で、『HK/変態仮面』はその精神をして真の勇気をたたえる、ヒーロー・オブ・ヒーローの映画たりえまいか。通常、国内外の多くのヒーローは何かをまとう。スーパーマンならマントを、バットマンならバットマン・スーツを。特撮ヒーローなど、着ぐるみをまとうそのステレオタイプだろう。しかし変態仮面は「着ない」ということが、その最大の特色。男子高校生が裸になり敵と戦う。この作品を映画にした、それこそが勇気ではないか。

ある男子高校生がパンティを顔にかぶって変態仮面に変身し、悪人と戦ったりするというバトル・アクションもののわけだが、キャラクター設定もすごい。彼の正義感は刑事の父親ゆずり、パンティをかぶるという性癖はSM嬢の母親ゆずりだという。もっとも、SMをショーとして成立させるのは大変な苦労であり(彼らは文字通り身体を張っているのだ)、SM嬢を小馬鹿にしているわけではないだろう。馬鹿にしているのは、衆院本会議で「(SMバーを)口にするのも汚らわしい」とののしった、民主党の菊田真紀子衆院議員などの方だ。

SM嬢と同じく、変態仮面も身体を張っている。まずCGでもなければスタントマンでもなく、主役が全裸で冬の新宿に臨んだわけだから、いろんな意味で寒い。主役を演じた鈴木亮平は、撮影中に実際のおいなりさんがポロリしてしまい、愛子ちゃん役の清水富美加に「それ」を目撃されたと言う。真に修羅のような現場だ。


さてさて、とはいうものの、その面白さだけで終わってしまってはB級映画になってしまう。内容でいうと、アクションが素晴らしい。ヒーローの描写には欠かせない「動」と、その変態的質感を伝える「静」のコントラストが、丁寧に作りこまれている。ここにスタッフと出演者の、愛と本気が詰まっていると言っても過言ではない。

究極の変態のアンチテーゼ、それは『HK/変態仮面』の底辺に、正確かつ盤石に存在している。良い意味で、ひどい。





作品情報

・監督: 福田雄一
・脚本: 福田雄一、小栗旬
・原作: あんど慶周
・撮影: 工藤哲也
・配給: ティ・ジョイ
・公開: 2013年4月13日
・上映時間: 105分







 

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