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『ULTRAMAN』
「ウルトラマン」とは? その答えを求めた意欲作

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昭和の時代より数々の作品がリリースされてきた、日本の特撮の元祖にして基本である、ウルトラ・シリーズ。エヴァンゲリオン・シリーズの監督である庵野秀明氏も「エヴァはウルトラマンから影響を大いに受けている」と公言していることから、その遺伝子は今も多くの表現の中に介在しているものと思われます。


とはいえ、ウルトラ・シリーズって、タロウやエースやゾフィーやセブンやら、キャラクターが増え過ぎてごちゃごちゃしていますし、主演もルックス重視の薄っぺらいモノがこれまた多いというのも、偽らざる実態でしょう。そんな嘆かわしい作品群の中でひときわ光る作品を見つけました。2004年に公開された、タイトルからズバリですが、『ULTRAMAN』です。

そもそも「ウルトラマン」とは、日本語に訳すと超人、人を超えた存在にあたります。『ULTRAMAN』では、「ウルトラマン」の第1話「ウルトラ作戦第1号」を現在の手法で以てもう一度創作しよう、という試みがなされました。そこにあるのは、純粋なウルトラマンであり、原始なのです。

まず、人を超えた存在というものには、畏怖の念を込めてとはいえ、グロテスクさがどうしても伴います。誤解を恐れずに言うならば、ウルトラマン、そして彼と戦う怪獣、そのどちらも「化け物」であり「怪獣」なわけです。その怪獣同士の戦いを描写するにあたって、必要なだけのものは全て投下されている、これが『ULTRAMAN』の美麗たるゆえんでしょう。若くはない、ある程度の年齢とキャリアを積んだ俳優が主演というのも、物語に奥行きを与えています。


具体的に「特撮」という点にしぼって言及しましょう。巨大怪獣同士のバトルにミニチュアの市街は必須条件。しかしスタジオ・セットでの撮影カットの中にオープン・セットで撮影したカットをさり気なく挿入するという編集が、その臨場感を存分に訴えてきます。立派な、劇場で見るに足る「映画」でしょう。

ストーリー、CG、空中アクションなどは言うに及ばず、「特撮の基本」を21世紀のアプローチで描き切った、それこそこの作品の最大の特徴ではないでしょうか。防衛庁(防衛省になる前の映画ですから)の全面協力もあってか、「地球を守る怪物」というウルトラマン、その真相が正しい形で成立しています。



作品情報

・監督: 小中和哉
・脚本: 長谷川圭一
・監修: 円谷一夫
・撮影: 大岡新一
・配給: 松竹
・公開: 2004年12月18日
・上映時間: 97分







 

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