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■ 2月28日~3月30日にかけて、「日本の伝記」を取り扱います







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『DANCING古事記』
山下洋輔トリオによる1969年の語り部

さてさて、今日ではすっかり「お昼の顔」と化したタモリこと森田一義。もはや国内において、彼を知らない日本人はいない。だが、なぜ彼が芸能界に入ったのか、を知る者は存外少ないのではないだろうか。

職を転々としていた若き日のタモリは、1972年のある日1人のジャズ・ミュージシャンと出会う。その後そのジャズ・ミュージシャンと彼の仲間の誘いで上京を果たし、東京で漫画家・赤塚不二夫氏に芸の手腕を見初められ、氏の全面プロデュースのもと、その芸に磨きをかけて行くうちに黒柳徹子の目に留まり、サラリーマンでありながら「徹子の部屋」へゲスト出演を遂げる。そして現在に至るまで、芸能界で人気を確立していく。

DANCING古事記(紙ジャケット仕様)
2008年10月24日 発売
オリジナル版 1969年 発売
ここからが眼目である。では上京のキッカケともいうべきジャズ・ミュージシャンとは誰なのか? 作家としても著名なジャズ・ピアニスト、山下洋輔その人である。1960年代より活躍する、フリージャズのパイオニアとも目される彼は、「日本のジャズ」の歴史を語る上で欠かせない人物でもある。

それは彼の組んだ山下洋輔トリオ(ピアノ・ドラムス・サックス)が1969年に発表した処女作でありライヴ・アルバムでもある『DANCING古事記』からも明らかになろう。

1969年という、日本で政治闘争や学生運動などがもっとも盛んだった時代。バリケード封鎖された当時の早稲田大学構内で、繰り広げられる狂乱の宴ともいえる演奏は、昭和懐古などという生ぬるいものではない、驚愕の熱量を聴く者に与える。まずアジ演説より始まり、続く「テーマ」では音の洪水と熱狂ぶりがスイングしながら伝えられる。そして山尾三省の長編詩に影響を受け作られたという「木喰」へ。自然、山下の特徴でもある、ひじで鍵盤を叩く演奏も収録されており、耳を刺激しつつも心地好いムードを作り上げている。

日本のジャズの歴史を知るという事、また日本の近代史を再考するという観点から見ても、貴重な1枚であるこのアルバム。現在は紙ジャケ仕様で再販されている。



山下洋輔 オフィシャルサイト






 

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