日本語 | English

■ 6月30日~7月30日にかけて、「日本の鞄」を取り扱います







Atom_feed
『お富さん』
故・春日八郎が歌い上げる、禁じられた男女の仲

LINEで送る

友達、もしくは兄弟姉妹の恋人と恋仲になるか、はたまた既婚者と触れ合う仲になるか。どの類のものであれ、禁じられた恋というのは独特のテイストがあり、古今東西多くの男女を虜にしてやまない。

それは、時間が経てども変わらない人の業ともいえるのではないか。なぜならば、今から半世紀以上も前、1954年に演歌歌手・春日八郎が発表して大ヒットとなった『お富さん』も、そういったテーマを唄っているものなのだから。

「♪死んだはずだよ お富さん」というフレーズで有名なこの歌。幽霊との再会シーンを舞台にしているわけではなく、実は、さる歌舞伎の演目「与話情浮名横櫛(よわなさけうきなのよこぐし)」のワン・シーンを唄ったもの。


ヤクザの子分である与三郎は、親分ヤクザの妾(めかけ)であるお富さんと恋に落ちるのだが、お決まりのごとく、それが親分にばれてボコボコにされる。そりゃあそうだろう。程なくして、与三郎は親分から受けた傷をネタにして、フリーランスのヤクザとして暗躍。悪辣な行為を働き三昧の与三郎は、ひょんなことから、お富さんと再会する。

以上が話の、簡単な概要になる。「禁じられた恋」などという甘美なフレーズに踊らされるのもいいが、火遊びは程々に、という教訓があるのかどうかは分からない。ただ、禁断の恋はやはり禁断たる所以と言おうか、非常にリスキーなものであるというのは十分に伝わろう。

それでも、相手を想い慕う。熱く猛る感情が、病のようにほとばしる。それをせき止められない人の性(さが)。そんなものが、この歌からは狂おしいまでに伝わってくる。「♪逢えばなつかし 語るも夢」と唄う春日八郎。

禁じられた恋というものに、身に覚えのある方。または「もうあんなに強く人を愛せないだろう」というほど愛した過去の恋人への慕情が絶てない方などに、聴かれ継がれる歌の1つなのである。


作品情報

・作詞:山崎正
・作曲:渡久地政信
・歌唱:春日八郎
・発表:1954年8月(日付非公表)
・レーベル:キングレコード







 

『越冬つばめ』
つばめが飛ぶさまに女心を託した、森昌子の代表曲

『セレナーデ』
黒人歌手・ジェロと玉置浩二のタッグを、演歌仕立てで