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『まつり』
北島三郎が情熱的に唄う、日本人の心

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先生(以下:S):今回は、アシスタント=Aと、「サブちゃん」もしくは「オヤジ」の愛称で親しまれている北島三郎の代表曲『まつり』について、いってみよう。

A:はい、宜しくお願いします、先生!


S:サブちゃんは1962年と、結構昔にデビューしたんだけど、この『まつり』が発表されたのは1984年11月5日と、実にキャリアを20年以上積んでからの作品になる。

A:ウィキペディアのコピペはやめてください、先生。

S:いや、実際歌の中では、いろんな日本の祭りを情熱的に表現しているんだけど、これはポッと出の若造には表現できない。逆に言うと、キャリア22年目にして、こういう事も出来る、ってジャッジしたわけだろうね。

A:2009年の紅白のステージとかでも、大トリで歌ってましたけど、結構情熱的というか、壮大な演出がありましたもんね。

S:そうなの?

A:そうでしたね。対戦相手が、ドリカムで。

S:さすがです、先生。

A:先生はあなたですよ、先生。

S:まぁ、さすがに、ああいう国民的番組の大トリに唄われて然るべき、っていう器の楽曲だよね。何回も大トリを飾ってきたよね、『まつり』で。ちなみに、作曲した原譲二ってサブちゃん本人だから。

A:さぞ印税でガッポガッポ儲けていらっしゃるんでしょうね。

S:(無視して)「演歌は日本人の心」だなんていうフレーズがあるけど、まぁそのフレーズの是非はさておき、確かにこの歌は日本の祭りを唄うことで、日本人の心を表してるよね。祭りはつまり「祀(まつ)る」。神々を崇める、シャーマニズムとか原始宗教から来るもの。で、崇める対象が色々あるって事は、つまり日本は多神教の国なんだ、と。「GOD」や「天」とかを崇める一神教の概念とは違う宗教観を持っていますよ、って暗に教えてくれる、まさに日本人の心を表現した歌と言える。

A:成る程、大陸側(一神教)の祭りとは違うわけですね、先生。

S:凄く簡単にいうと、ね。楽曲については、この曲、奥田民生が1997年にライヴでカヴァーしたんだけど、ファンクだって感想らしいよ。


A:『股旅』の取材の時に仕入れたネタのリサイクル、さすがです、先生。

S:でもさ、ファンクって元々は土俗的っていう意味のスラングなわけよ。国は違えども、土俗・民俗を唄うのにそういうスタイルが使われたっていうのは、音楽は国境を越えるってことじゃないの?って思えて、面白いじゃない。

A:そうですね。それでは、今回はこの辺で。


作品情報

・作詞:なかにし礼
・作曲:原譲二
・歌唱:北島三郎
・発表:1984年11月5日
・レーベル:日本クラウン







 

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