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『テンダネス』
木住野佳子の慈愛と詩情に満ちたバラッド・アルバム

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『テンダネス』
2000年9月20日発売
ユニバーサル インターナショナル

01. ダニー・ボーイ
02. バイ・ザ・シー
03. フィール・ライク・メイキング・ラヴ
04. わが恋はここに
05. ロスト・イン・ザ・ドリーム
06. テンダネス
07. G線上のアリア
08. ラヴ
09. ララバイ
10. ザ・ブレスト・ワールド
11. ストレンジャー・イン・パラダイス
ジャズ・ピアニストをざっくり大別すると、以下の2つになるのではないでしょうか。1つは、よく「男っぽいピアノ」「力強いタッチ」などと形容されるような、「スウィングしなけりゃ意味ないぜ」を地で行くタイプ。有名な女性ピアニストでいえば、山中千尋や上原ひろみなどはこのグループに属するでしょう。

もう1つは、「リリシズム溢れるタッチ」「女性らしい、たおやかなピアノ」などと形容される、バラッドやボサノヴァなどで本領発揮するタイプ。今回ご紹介する『テンダネス』を作り上げた木住野佳子は、このタイプに属するといえます。

木住野佳子は1995年にCDデビューをした、日本を代表する女性ピアニストの1人ですが、彼女のピアノから放たれるのはまさにリリシズムと、多くの男性が女性に対して求めてやまない母性の芳香。『テンダネス』は彼女が2000年にリリースしたアルバムですが、木住野佳子をはじめとする敏腕ミュージシャンたちが、極めてクオリティの高い演奏でその2つを丁寧に表現しています。

例えるならば、天上からもたらされた、「癒し」などと軽々しく名状するのもはばかられるような、浄化の音楽。または女神の、涙と多幸に裏づけされた穏やかな抱擁たるもの。いわゆるバラッド・アルバムに彼女は挑んだわけですが、いずれの演奏もレディーの色気と慈愛に満ちていますから、すべからくかような印象を寄与するのでしょう。


11曲中5曲が彼女の自作曲、6曲はクラシックやスタンダードのカヴァーという配分ですので、彼女の作曲センスもこのアルバムで十分堪能できます。木住野佳子を聴いたことがないという人も、彼女を知るにはうってつけのアルバムというわけです。

あなたの心が何らかの救いを必要とする時、彼女の『テンダネス』は間違いなく、温かく寄り添ってくれることでしょう。心の深層で涙する方もいらっしゃるかも知れません。その涙すら清らかな手でそっと掬い取ってくれるかのような演奏が、ここにはあるのです。


木住野佳子 公式ブログ
木住野佳子 公式ウェブサイト







 

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