1982年より続く長寿バラエティ番組「笑っていいとも!」が、今月限りで終わりを迎える。小中学生にとっては、なんらかの理由で欠席した時だけ観られる独特な番組、くらいの位置づけかも知れないが、大学生ともなれば、授業のない日はフツウに観られるし、社会人ともなると、昼休みの供として馴染みが深いもの。それがひとつの終わりを迎えるのは、なんともさみしい。
さて、そんな「笑っていいとも!」の企画で、「発表!知らなきゃイケない!?最新ワード展覧会」というコーナーが、2009~2010年、設けられていた。たとえば「ル・クルーゼ」など、新しいけれど一般には浸透していないであろう言葉の意味を、レギュラーの面々があてるというコーナーだった。
そこへ、当時ブレイク中のヴィジュアル系アーティスト・ダイゴが、レギュラーとして参加しており、鍋の「ル・クルーゼ」を、「フランスのロック・バンド」と回答したのが運のツキ。番組のノリで、その架空のバンドの曲「黒い薔薇のかほり」を、ダイゴが作ってきたのだが、これを抽選で配信しようとしたところ、なんと定数の20倍もの応募がきたという。
その後も、ネコの「マンチカン」を、「中国のバンド」と回答するなど、ダイゴの珍回答は続き、結局、ダイゴのプロデュースのもと、それら架空のバンドや集団の楽曲をコンパイルするという形で、この『発表!知らなきゃイケない!?最新ワード展覧会』はリリースされるにいたった。
何より貴重なのは、ことのはじまりでもある「黒い薔薇のかほり」を、当時のレギュラー陣で歌ったボーナス・トラックだろう。おすぎやピーコが「温暖化! 排気ガス!」と歌い、ラストはタモリが奇妙なシャウトでシメる。そのレコーディングのようすも放送されていたが、まさに、2度と見られない幻の作品だ。
ちなみに、爆笑問題の太田光が、最後のほうで「♪黒い薔薇のかほり~」と、デス・ヴォイスで連呼するパートがあるが、じっさいは、1箇所だけ「♪黒い眞鍋かをり~」と、歌っていた。とうぜん、カットされて、正式な歌詞に差し替えられているが、今思うと、そのままでもよかったのでは・・・?