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■ 8月31日~9月29日にかけて、「2016年のポップス」を(今頃)取り扱います







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BLUE BLOOD/X
「ヴィジュアル系ロック」の金字塔

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『BLUE BLOOD』
1989年4月21日発売
CBS Sony

01. PROLOGUE (~WORLD ANTHEM)
02. BLUE BLOOD
03. WEEK END
04. EASY FIGHT RAMBLING
05. X
06. ENDLESS RAIN
07. 紅
08. XCLAMATION
09. オルガスム
10. CELEBRATION
11. ROSE OF PAIN
12. UNFINISHED
いったい、「ローリング・ストーン」という雑誌は、アメリカの大衆文化、取り分け若者文化を取り扱った雑誌だったが、1973年に日本版が刊行された。その後、しばらく休刊状態だったが、2007年に復活。現在では、ロックのみならず、アイドルやファッションなど、複合的に日本独特のカルチャーを取り扱う雑誌として、一定の地位を確立している。

とはいうものの、矢沢永吉やキース・リチャーズを表紙に構えるなど、やはり、「ロックの雑誌」の総本山というポジションは失われてはいない。つまり、「ローリング・ストーン」で取り扱われたり、認められたりしたロック・バンドは、洋楽ファンも容易に「あんなのはロックじゃない」などと馬鹿に出来なくなる、という風潮が、依然としてあるのだ。

さて、そんな「ローリング・ストーン」が2007年時点で選定した、「日本のロック名盤ベスト100」というランキングの中で、ヴィジュアル系と目される、あるバンドのメジャー・ファースト・アルバムが、15位にランクインした。そのバンドとは、エックス。後の、エックス・ジャパンである。そしてそのアルバムの名は、『BLUE BLOOD』という。

彼ら自身は、「ヴィジュアル系」という呼称を嫌っているとされながら、ヴィジュアル系の元祖という了見が、未だに一般的である。別に化粧をしてステージに立った歌手は、彼らが最初というわけではない。海外にはデヴィッド・ボウイやキッスが存在したし、国内にも聖飢魔Ⅱなどがいた。

彼らの『BLUE BLOOD』のジャケットを注視して欲しい。「サイケデリック・ヴァイオレンス/クライム・オブ・ヴィジュアル・ショック」という文言が刻まれているのだが、実はここから「ヴィジュアル系」という言葉が生まれた、という説が濃厚なのだ。いわゆる、「ヴィジュアル系」の祖。

さりとて、このアルバムの内容自体には、そんな言葉を生み出す意図は、まったく感じられない。

「紅」や「ブルー・ブラッド」のようなヘヴィ・メタル系統の曲から、「セレブレーション」や「ウィーク・エンド」のようなシンプルなロック・ナンバー、はては「エンドレス・レイン」や「アンフィニッシィド」のような、美しいメロディで構築されたバラッドまで、実に多様。このヴァラエティと、本人たちの奇抜なルックス、そして新人離れしたクオリティが、マスに「ヴィジュアル系」なる単語を生ませるにいたったのだろう。

いっぽうで、たとえば、「ウィーク・エンド」の詞のテーマが自殺であったり、「紅」では♪紅に染まったこのオレを慰めるヤツはもういない~♪と歌われたり、歌詞という面では、なにやら血なまぐさい、ダークな世界観を持った詞が多めではあるが。

邦楽ロックの、そして、ヴィジュアル系のマスト・アイテムであることは、間違いないだろう。ただし、発表されたのが1989年なので、音質の面では、現代からすると貧しさも感じる。ために、2008年にはリマスター版も発表されているので、こちらの方をお薦めする次第だ。


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