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■ 9月30日~10月30日にかけて、「日本のアイス」をフィーチャーします







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『フェスベスト 』
金爆の(パフォーマンスに関する)プライド?

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『フェスベスト』
2016年12月21日発売

Zany Zap

01. 女々しくて
02. 元カレ殺ス
03. 抱きしめてシュヴァルツ
04. 酔わせてモヒート
05. トラウマキャバ嬢
06. ローラの傷だらけ
07. Dance My Generation
08. また君に番号を聞けなかった
09. ICE BOX
10. じれったい
11. ultra PHANTOM
12. 毒グモ女(萌え燃え編)
13. 欲望の歌
14. †ザ・V系っぽい曲†
15. まさし

青い下線は執筆者推薦曲を表しています。

価格:¥1,500+税




コンセプトとしては素晴らしいなと思った。いきなり不遜な物言いで恐縮だが、何のことかと言えば、ゴールデンボンバー(以下、金爆)の『フェスベスト』である。読んで字のごとく、同バンドがフェスでよく演る曲をコンパイルして一枚にまとめたベスト・アルバムだ。発案はヴォーカルの鬼龍院翔によるもの。金爆をよく知らないお客さんがフェスに参加する折、フェスの予習復習に使える手っ取り早いCDがあればいいのにと思い、それを具現化したアイテムだそうだ。

つまりは徹底的にユーザー目線で作られた、作品性などは微塵もない、便利アイテムである。このコンセプト自体は、そういうのって良いよね、と思う。別にフェスに参加するわけじゃないけど金爆の代表曲を手っ取り早くおさえたい人というのは、レンタル派にも購買派にもいるはずで、実はターゲットは広範囲に及ぶのではないかと愚考する。しかも値段も税別1500円とリーズナブル。フェスでグッズ感覚で買うもよし、店頭で何かのついでに買うもよしの価格設定となっている。


だがしかし、だ。そのユーザー目線は果たして正しいのかという検証はされねばなるまい。まず第一に「金爆をよく知らないお客さん」がターゲットであるが(新曲やレア音源、新しいアーティスト写真などはないから、これまで金爆を買い支えてきたファンが買う理由はない)、彼らは果たしてCDで予習復習をするのか。はっきり言ってその手の人達は、金爆にはさほど興味がないわけだから、フェスの予習となるとYouTube上の動画で済ませるのではないか。

では復習はどうか。つまりどこかのフェスで金爆を初体験して虜になった人がこのCDを買うか否か。私はフェスで金爆を観たことがないので何とも言えない。彼らが金爆ビギナーをどれほど惹きつけられるものか、わからないからである。別言すれば、金爆は自分達のライヴ・パフォーマンスに自信があるからこそ、この『フェスベスト』をリリースしたとも言えるだろう。

この世はさまざまなタイプの人々が混ざり合うことで出来ている。きっとこのCDを買うフェス参加者もいるだろう。ただ邪推をすれば、このベスト盤は金爆の想像よりは売れなかったのではないか。だからこそ翌年の2017年、彼らは「#CDが売れないこんな世の中じゃ」をリリースしたのではないかと思っている。


もっとも今作の価値は、そんなに急速に決められるものではないだろう。もっとロングスパンで計られるべきだ。今年も金爆はおびただしい数のフェス(学園祭含む)に出場している。今年、来年、再来年と金爆がフェスに出る限り、今作の価値は失われないはずだ。ただ個人的なことを言えば、この手のネタ歌で15曲は、若干ヴォリューミーというか、もたれてくるというか、ちょっとキツい。面白いとは思うんだけれど。


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