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『アンソロジー』
また年末には、お世話になります!

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『アンソロジー』
2015年8月26日発売

ユニバーサル ミュージック

01. Manhattan Daylight (Y.Kishino)
02. Fairy Tale (Y.Kishino)
03. Vera Cruz (M.Nascimento)
04. Waltz For Debby (B.Evans)
05. Desert Island (Y.Kishino)
06. Danny Boy (Trad)
07. Beautiful Love (V.Young)
08. Tenderness (Y.Kishino)
09. Night And Day (C.Porter)
10. Jenga (Y.Kishino)
11. Prayer (Y.Kishino)

Recorded on June 3 & 4, 2015
Produced by Yoshiko Kishino


ハッキリ言ってしまうと、日本のジャズを聴く大義名分は、もはや存在していない。世界で一番売れているジャズの盤が今もって、モード・ジャズの決定盤『カインド・オブ・ブルー』であるように、ジャズとはこれ以上新しい発明が(今のところ)出てこない音楽ジャンルであり、とどのつまり、そこでは新作を聴く意義が明確には存在しないのだ。まして歴史的にジャズを「産み出した」ことのない日本の作品などは、推して知るべしである。

では日本のジャズは、その一切が無価値なのかと言うと、そんなことはない。ジャズだろうがロックだろうが、ジャンルを問わず、優れたミュージシャンの条件とは「その人にしか出せない音があり、その人にしか奏でられない音楽がある」ことである。そのオリジナリティを支持する人が、ライヴであれ盤であれ、そのミュージシャンの音楽を聴きこみ、愛すればいい。ジャズ・ピアニスト、木住野佳子の『アンソロジー』を聴いて、強くそう思う次第だ。

『アンソロジー』は木住野佳子のレコード・デビュー20周年を記念してリリースされた作品。キャリア初期である20世紀中にリリースされた彼女のリーダー・アルバムの中から、人気投票で選ばれた楽曲を再アレンジして再録音したものである。リテイク・ベストと言うべきか。末尾には新曲「プレイヤー」を収録している。

木住野佳子のオリジナリティとは、何をやっても「癒し」になるところだろう。どんなにアグレッシヴなプレイも、たちどころに聴き心地の良いリラックス音楽になる。以前にも書いたが、上原ひろみや山中千尋ではこうは行かない。タッチやトーン(音色)がどうこうより、聴いていて、そっと頭を撫でられ、慰められているかのような「心地」こそが、木住野佳子最大のアピール・ポイントなのだ。

個人的には、『アンソロジー』は年末に聴くに合う。年を重ねて、キャリア初期よりも深みを増した彼女の演奏が、一年の疲れが染みこんだカラダとココロに、慈悲に満ちた癒しとして響くのである。本作のラスト・ソングである「プレイヤー」は、そのまま新年への「祈り」として聴かれよう。

どうか良い年でありますように。



Pianist-木住野佳子-Official Site






 

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