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■ 2月28日~3月30日にかけて、「日本の伝記」を取り扱います







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『三日月ロック』
スピッツが0と1の間で見上げた、三日月

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パチンコ屋などは、よく「新装開店」などのフレーズを使って客を呼び込もうとしますが、バンドや歌手などの類が「リニューアル」というのは難しいでしょう。今まで人間として培ってきたモノをいったん白紙にして、新たに何かを創造するということは。


三日月ロック
2002年9月11日

ユニバーサル ミュージック
価格: 3,146円(税込)


01. 夜を駆ける
02. 水色の街
03. さわって・変わって
04. ミカンズのテーマ
05. ババロア
06. ローテク・ロマンティカ
07. ハネモノ
08. 海を見に行こう
09. エスカルゴ
10. 遥か
 (album mix)
11. ガーベラ
12. 旅の途中
13. けもの道


青い下線は執筆者推薦曲を表しています。

全作詞・作曲: 草野正宗
プロデュース: スピッツ&亀田誠治
スピッツが2002年にリリースした、彼らの10枚目のオリジナル・アルバム『三日月ロック』は、その困難を乗り越え、新たな自分たちを確立し、さらにオリコン週間チャートで1位をマークするなどのポピュラリティをも獲得した、「稀有な名盤」足り得るのではないでしょうか。現在にいたるまで共同作業を続ける音楽プロデューサー・亀田誠治との出会いのアルバムでもあるわけで、スピッツの新たな「ゼロからイチへの歩み」が、ここにはあるのです。

今回、スピッツをメジャー・デビュー当時からディレクションしてきた竹内修さんに、『三日月ロック』について伺いましたので、その発言の一部を以下に。

「'99年に『リサイクル』というベスト・アルバムが、レコード会社(ユニバーサル ミュージック)によって一方的に組まれ、それまでのスピッツが無理矢理まとめられたんです。で、2000年には、そこへのフラストレーションを含んだ形で『ハヤブサ』というアルバムが作られました。そのアルバム・ツアーを以て、デビュー以来のスピッツというのが一旦リセットされたわけです。だから『三日月ロック』は、今につながるスピッツの最初のアルバムですよね」

もしかするとソングライターの草野正宗自身、新たな始まりをこのアルバムに求めていたのかも知れません。「水色の街」「ババロア」のような抒情性の高いものから、もし架空のバンドを組んだら、というテーマで作られた「ミカンズのテーマ」まで、ポジティヴな意味で、楽曲の振れ幅は大きい。

折れた刃のような三日月、そこから連想されるのは夜。オープニングを飾る「夜を駆ける」から、ラストの「けもの道」で訪れる日の出まで、紡がれるのは13の夜の物語です。

なお、アルバム・タイトルに関しては、前述の竹内さんいわく「〈ロビンソン〉(’95)でも♪ぎりぎりの三日月も僕を見てた~、って唄っていましたから、好きな言葉ではあるんでしょうね。ただ、『三日月ロック』は、当時メインに使っていたスタジオがクレッセント・スタジオで、クレッセントだから三日月、という楽屋オチはあります」とのことです。



SPITZ OFFICIAL WEB SITE
・ディレクター・竹内修さんへのインタビューはこちら







 

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