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■ 10月31日~11月29日にかけて、「2017年のポップス」をフィーチャーします







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『組曲(Suite)』
新しくも懐かしい、中島みゆき

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歌手、中島みゆきのイメージを、ひと言で表すのは難しい。「地上の星」などの、平成のヒット曲が印象にある人なら、「男とか女とかを超越した、力強い人」になるかも知れない。昭和のパブリック・イメージが根強くある人なら、「恨み節を唄う、女さだまさし」かも知れない。どれが正しいとかではない、念のため。


組曲(Suite)
2015年11月11日発売

ヤマハミュージックコミュニケーションズ

01. 36時間
02. 愛と云わないラヴレター
03. ライカM4
04. 氷中花
05. 霙の音
06. 空がある限り
07. もういちど雨が
08. Why & No
09. 休石(やすみいし)
10. LADY JANE


青い下線は執筆者推薦曲を表しています。

プロデュース: 瀬尾一三
全作詞・作曲: 中島みゆき

2015年11月に出た、中島みゆきの41枚目のオリジナル・アルバム『組曲(Suite)』は、ひとつにはしぼれない、そんな中島みゆきのイメージを、集約したようなアルバムになっている。力強さ、切なさ、ものがなしさ、包容力、気高さ・・・10曲を通して、多面的に「中島みゆき」が展開されているのだ。

とは言っても、集大成だとか原点回帰だとかではない。たとえば「霙の音」の、柔よく剛を制すような、優しくて、それでいてどこか凍えるようなヴォーカルの表現は、過去の中島みゆきでは、かなわなかったと思う。まさに、懐かしくも最新の中島みゆきなのだ。

それは同時に、たとえば「中島みゆきって、ちゃんと聴いたことないんですよね。おススメのアルバムとかあります?」と訊かれた際に、あるいは、昔は聴いていたけど、最近はとんと聴かなくなった人などに、おススメできるアルバムでもあるということだ。それが現状、最新作で全うできるのは、中島クオリティといったところか。

おっさんのグチになってしまうが、最近は、品のない女性が全国的に増えたと思う。そんな世にあって、中島みゆきの詞世界には、詩情を携えた気品が散りばめられているように感じて、少し嬉しくなってしまう。そんな男性リスナーも、多いのではないだろうか。

愛という言葉に愛は収まらない
さりとて伝えずには伝わらない
喉元に答迫るような言葉は あえて使わない

「愛と云わないラヴレター」より


- NAKAJIMA MIYUKI OFFICIAL SITE