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■ 2月29日から3月30日にかけて、文房具をフィーチャーいたします。







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Sugi Guitars
長野が誇る、小規模・高品質のギター

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Sugi Stargazer
SSS R ALD/AT FRD



Body: Alder
Neck: Aqua Timber Maple
Fingerboard: Rosewood
Pick Up: Jazzy Cat
良いギターの条件、と言いましても、そんなのは百人百様ですから、いささか明瞭さを欠く結果になることは、想像に難くありません。そこで、良いギターの共通点とは何ぞや、という点にしぼって考えてみることにします。ギターの音を決めるのは、そのギターに使われている木(材木)と言われます。すると、良いギターの共通点とは、良い木を使って作られていることと言えそうです。

「スギ・ギターズ」は、ギター職人、杉本眞さんが2002年に設立したギター・ブランド。現在は長野県松本市に工房を構えています。杉本さんの職人としての経験に裏打ちされたスキルとアイデア、そして少数精鋭的システムによって担保される美麗な仕上がりと音。これらの要素を備えた「スギ・ギターズ」は、国内外のプレイヤーに強固に支持されています。

とすると、「スギ・ギターズ」を語るには、まず代表者である杉本さんについて語らねば意味が通じなくなってしまいます。杉本さんの経歴の始点はアメリカのエルガー社でギター修理のいろはを学んだこと。その後帰国してフジゲンに入社。職人として熟達するも、OEMでしか、つまり客先の注文に沿う形でしかギターを作れないことに疑問を感じ、一念発起して独立された、というのが、杉本さんの簡潔な履歴です。

つまり「スギ・ギターズ」の根幹にある性状とは、オリジナルであること、そして杉本さんの職人履歴の延長線上に正しく位置する高品質性となります。キャリアの始点当時において杉本さんは「音楽ではアメリカに負けるかもしれないが、楽器を作ることにおいてなら勝てる」と直感したそうです。人生とは、往々にして計算や計画にではなく、直感によって切り拓かれるものなのですね。

そんな杉本さんの経験則からしても、良いギターには良い材木が不可欠なのであり、「スギ・ギターズ」の楽器には、スポルテッド・メイプル(※)などの希少材木が惜しみなく使われています。小規模な工房であり、在庫がないのが常という「スギ・ギターズ」だからこその芸当です。世界に名だたるギブソンなど、大量生産を前提とせざるを得ない現場では(希少材が大量に必要という無理難題のため)到底マネができないでしょう。

その価格や希少性(小規模な工房なので)から、「スギ・ギターズ」のギターやベースを入手するのに難が無いと言えばウソになります。いや、このブランドの商品なら何でも良いんだとおっしゃるならともかく、やはり音や弾き心地を確かめ、選り好みされるのが常道でしょうからね。しかしその難を堪え忍んででもトライする価値のあるブランドなのではないでしょうか。




※ スポルテッド・メイプル・・・その木目にバクテリア等が入り込んだため、美麗な紋様を擁するようになったメイプル材。加工が極めて難しい。



Sugi Guitars - Official Website






 

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