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■ 6月30日~7月30日にかけて、「日本の鞄」を取り扱います







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竹山木管楽器製作所のリコーダー
タテ笛の歴史の転轍手?

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竹山 木製リコーダー アルト
モダンピッチ TA442R



材質: ローズウッド
仕上げ: ナチュラル
a'=442Hz
ダブルトーンホール
アーチ型ウインドウェイ
価格: 140,400円(税込)
今日、多くの日本人が初等教育において親しむ(半強制的に親しまされると言ってもいいが)リコーダーことタテ笛は、ヨーロッパのルネサンス音楽において、その存在を確かなものとした。「クラッシック音楽はヨーロッパの民俗音楽のひとつに過ぎない」と明言したのは坂本龍一だったが、それに倣って言えば「リコーダーはヨーロッパの民俗楽器のひとつに過ぎない」となるだろうか。

しかし歴史や文化の流れは、ある意味で国境に左右されない。そもそも近代的国民国家とて17世紀にようやく発生した概念でしかないので、いきおい国境が文化や歴史を支配するなどは無理があるのだ。リコーダーは今では日本の代表楽器のひとつでもあると言って過言では無かろう。何しろ初等教育において国民のほぼ全員が演奏経験を有するのだから。

大阪の竹山木管楽器製作所は、1960年より木製リコーダーを作り続ける工房だが、彼らは、ある意味でリコーダーの歴史を逆転させ、またある意味では歴史の転轍手となりうる存在だと思う。

まずは、歴史の逆転について触れたい。1987年、彼らは海外市場を拓くべく、アメリカの古楽器展示会に「竹山リコーダー」を出展した。初回こそリアクションはなかったものの、2度目の出展時、イギリスのディーラーの目に留まり、商談が成立。かくして欧米市場に「竹山リコーダー」は浸透してゆく。かつて欧米から日本に持ち込まれたリコーダーが、時をこえ、欧米に輸出されるまでになったこの現実は、「逆転」と形容して差し支えなかろう。

続いて、「転轍手」という表現の根拠にも触れよう。当今では欧米のリコーダー市場は成熟しており、成長性はほぼない。 そこで彼らが次なるマーケットとして選んだのが、香港、台湾、韓国などアジア地域であった。彼らはアジアでリコーダー・フェスを開催したり、各国でワークショップを開いたりするなど、アジアにリコーダーを広めている。リコーダーの歴史を俯瞰的に見た時、彼らが転轍手を担ったとされる蓋然性は極めて高いのだ。

「竹山リコーダー」の良し悪しは、個人が評価すべきことであるから、ここで述べることではない(楽器の良し悪しの基準は十人十色だからだ)。しかしかの工房が、当該楽器の歴史のキーパーソン足り得ようことは上述の通りである。「竹山リコーダー」と他社のそれとでは、その有責性において異なると言えるだろう。

ちなみに、リコーダーが日本に伝播したきっかけは、1936年のベルリン・オリンピックとされている。丁度ヨーロッパでもリコーダーを使った古楽が20世紀初頭に再評価されており、その流れから当該五輪でもリコーダーを用いた集団演奏が展開されたのだ。それを見て感動した、とある日本人が「あのタテ笛、教育に良いんじゃないの」とリコーダーを持ち帰ったのだとか。その日本人の名字も、これまた「坂本」であった。無論、坂本龍一とは何の関係もない。



竹山木管楽器製作所








 

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