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■ 2月29日から3月30日にかけて、文房具をフィーチャーいたします。







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小田原鋳物の風鈴
その音色は、果敢無くも明媚なりけり

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小田原御殿風鈴
(砂張製)
はるか太古の昔、人々がまだ文字や言葉などを用いない時代から、原始宗教の神具のひとつとして使われていた、鈴。その歴史はいわば文字や数字を超えてのものであり、 今も神社へ行けば鈴を鳴らす風習があるように、私達の身近に寄り添い続けるものでもあります。

そんな鈴を無形の風が鳴らし、私達に夏の暑さを忘れさせてくれるアイテムといえば、そう、風鈴。古くは、強い風は流行り病などを運ぶ悪しきものと考えられており、邪気払いのために飾られたのが風鈴の始まりとされていますが、夏の暑さを紛らわせるために使われている現代においても、その意味合いは、ある意味変化していないと言えるでしょう。

日本全国を巡れば、現在多種多様の風鈴が見受けられます。ガラスでできた風鈴、水晶で作られた風鈴などなど。風鈴を展示する催しも珍しくありません。しかし音という所で群を抜いている存在と言えば、神奈川県の名産のひとつ、小田原鋳物の風鈴に他ならないでしょう。といっても、今は(株)柏木美術鋳物研究所でしか作られていないのですが・・・


小田原提灯風鈴
(真鍮製)
「和の達人」として知られる小山薫堂さんもラジオ番組「ジャパモン」(TOKYO FM)で風鈴の音の聞き比べをした際、同社の真鍮製の小田原提灯風鈴の音色をとても好みと絶賛していました。

また、故・黒澤明監督も同社で作られた小田原鋳物の砂張(さはり)製風鈴の音色に惚れ込んだ一人であり、自身の監督映画『赤ひげ』にその風鈴を登場させたと言います。小田原鋳物の風鈴、その音色の美しさたるや他の風鈴とは一線を画すものになっているわけです。

さて、こう書くと伝統工芸をかたくなに守っている感が漂うかも知れませんが、砂張の風鈴に関していえば、『赤ひげ』のそれとは余韻や響きが若干異なる、いわば、音に関して飽くなきマイナーチェンジが繰り返されているのです。現代空間に小田原鋳物の風鈴が鳴る意味は常に刷新され、作り手もそこを視野に入れているということです。だから小田原鋳物の風鈴の音は現代においてもいみじくも美しく響くのです。



(株)柏木美術鋳物研究所 外観



お問い合わせ先

・社名: 株式会社柏木美術鋳物研究所
・住所: 〒250-0005 神奈川県小田原市中町3丁目1-22
・電話: 0465-22-4328
・営業時間: 9:00~17:00
・ホームページ: (株)柏木美術鋳物研究所







 

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