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■ 2月28日~3月30日にかけて、「日本の伝記」を取り扱います







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大辻朝日堂のぐい呑み
薩摩ならではの、日本酒のたしなみ方はいかが?

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前回、「錫(すず)よりチタンの方が良い」みたいなことを書きましたが、いやいや錫だって良いんですよ、というのが、鹿児島県で薩摩錫器を大正元年より製造し続ける大辻朝日堂の酒器・ぐい呑みです。

何がそんなに良いのか、三つ理由を挙げてご説明しましょう。

先ず、錫器はイオン効果で内包する飲み物をキレイにするということです。巷で云う所のマイナスイオン効果ではありません。ああいうのは言ってしまえばインチキですからね。Sn2+イオン(水中などで作られる2価の錫イオン)は、微生物叢に対して強力かつ持続性のある抑制効果を有するのです。早い話が、水が濁って腐るのは水中に雑菌が増えるからですが、その菌を抑える効果があるからキレイな(美味しい)ままなんですよ、ということ。歯磨剤にフッ化第一スズが使われたりするのも道理です。

第二に、保温性の高さです。よく錫は熱伝導率が高いなどと云われますが、錫の熱伝導率を示す値は64(W/mK)。値としてクロムニッケル鋼や洋銀などよりは高いですが、純銅の366やアルミニウムの204には及びませんよね。つまり「熱伝導率の高い食器」が良いというなら、銅器を買え、というもの。しかしこの数字は低ければ低いほど、保温・保冷に優れているというわけです。冷酒をゆっくり飲みたい時など、錫はうってつけと言えましょう。


大辻朝日堂
ぐい呑み 手彫

容量: 100 cc
価格: 税抜5,000円
そして最後に、大正元年より静かに、しかし確かに培われてきた手作業の技術によって構築される食器の上品な質感でしょうか。もともと南九州は日本有数の錫の産地でした。今は産出していませんから、それ自体は過去の栄光です。しかし、錫を使って何かを作る文化は間違いなく鹿児島に根付き、大辻朝日堂は今日にいたるまでそのスキルとセンスを受け継いでいるのです。このあたり、完全に主観的な物言いになってしまいますが、実際にこのぐい呑みを見、触り、これを使って日本酒を飲む贅沢な心地は、何物にも代えがたいと思います。

錫器の本場は大阪とされていますが、薩摩錫器はそれとはまた異なるということで、鹿児島ならでは、という希少性もありますが、日本酒をたしなむ酒器としてはなかなかお値打ち品ではないでしょうか。勿論何を注いでもいいのですが、個人的にはビールは合わないと思います。ズバリ、日本酒用です。



お問い合わせ先

・社名: 有限会社 大辻朝日堂
・住所: 〒890-0046 鹿児島県鹿児島市西田2-17-17
・電話: 099-259-3501
・創業: 1912年
・ホームページ: 大辻朝日堂







 

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