もともと日本酒と言えば、米からのみ造られて然るべきお酒を指していましたから、純米酒蔵になることは良いのです。反対に民事再生は、倒産と同義ですから、会社、組織としては、なるべく立ち会いたくないもののひとつです。蔵の都合も考えず、消費者目線で勝手を言うならば、「雨降って地固まる」ってことなんでしょうか。

「純米大吟醸 今代司 極上」
内容量: 720 ml
原材料: 米、米麹
アルコール度数: 15
価格: 税込4,644円
と、こう書くと、こんな不安が読む人の頭によぎるかも知れません。「おいおい、倒産するような蔵の酒なんて大丈夫かよ。純米酒ならなんだって良いわけじゃねえだろ」なんて。オーケー。では今代司酒造が、いかに自分たちの造る酒に自信を持っているか、をご紹介したいと思います。
彼らの代表銘柄は「今代司」です。大吟醸、吟醸とさまざまな種類の「今代司」がありますが、いずれも原料米や精米歩合などのスペックは公開されています。また、何らかの賞の「金賞」を受賞した実績もありますから、このPRで安心する人もいるかもしれません。
ただ、こういった賞は参考にはなりません。だってあくまで出品したタンクの酒が受賞しただけで、別の時期に別のタンクで造られた同タイプのお酒までは、分からないですからね。

「錦鯉」
内容量: 720 ml
原材料: 米、米麹
アルコール度数: 16
価格: 税込5,400円
さて、彼らが近年発表した「錦鯉」。もちろん純米酒なのですが、原料米、精米歩合、日本酒度、使用酵母などのスペックは一切公開されていません。それは、頭で飲まずに、飲んだ感覚で評価してほしい、という彼らの自信と願いが込められているからです。「雨降って地固まる」なんて先述しましたが、彼らの日本酒造りは、より盤石になっているものと思われます。