牧場の夢
日本唯一、温泉水を使った牛乳焼酎
熊本県といえば、日本でもトップクラスの農業大国。生乳、肉用牛、トマト、みかんなどにおいては、日本のトップ5に常に顔を出しています(農林水産省調べ・産出額ベース)。丸美屋、再春館製薬所などの本社も熊本県内にありますから、別に第一次産業に特化しているわけではないようです。
そんな熊本だからか、人吉地方から集めた牛乳と、酒造元の蔵に湧いた弱アルカリ性の温泉水、そして米を同時に発酵させて作られた本格焼酎なんてものがあるのです。大和一酒造元が1999年より手掛ける、同社の看板商品、『牧場の夢』です。
熊本県人吉市の風景
麦や芋などが焼酎の原料としてはメジャーかと思いますが、牛乳を使うのは、別にイレギュラーでも何でもありません。焼酎は蒸留酒の一種ですが、リンゴや葡萄などの果実を使った蒸留酒としてブランデーがあるように、多種多様な原料が使えるのです。「本格焼酎」を名乗るのには、国税庁長官が定める原料で作らねばなりませんが、定められた原料には、牛乳の他に、アロエや落花生、サボテンなどもあります。
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本格焼酎「牧場の夢」
税込価格: 1,715 円( 720 ml )
アルコール: 25度
蒸留方法: 減圧
原料: 牛乳、米、米麹(白)
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牛乳を使うのが合法であり、別に珍品というワケではないのはお分かり頂けたかと思いますが、じゃあ蔵に湧いたからと言って、なぜ弱アルカリ性の温泉水を用いるのか。これは日本人の食事が欧米化している昨今、酸性の食事(肉類、魚類、糖類など)に重点が置かれている現状を危惧し、焼酎を飲む人の健康を願い、弱アルカリ性の温泉水を用いているのだとか。
ほのかに漂うミルクの甘い香りと飲みやすさ、まあ、好き嫌いは分かれるでしょうが、一度はお試し頂くのも一興かと思います。個人的には、ストレートで飲むよりも、水割りかロックがよろしいかと。育毛効果を望んで、味わうよりも髪の毛の為に、と購入される方も多いそうですが、こちらの用途はおすすめいたしません。
・大和一酒造元 | 温泉焼酎・牛乳焼酎「牧場の夢」
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