「酒屋八兵衛」ってお酒、ご存知でしょうか。三重県にある元坂酒造の代表銘柄です。元々は「東獅子」という銘柄で地元に親しまれていたのですが、1990年頃から「酒屋八兵衛」なる銘柄で出すことにしたそうです。私は「東獅子」の時代には未成年でしたから存じませんが、「酒屋八兵衛」の山廃純米酒は、大変に美味しいんです。
「酒屋八兵衛 山廃純米酒 伊勢錦 」
内容量: 1800 ml
原材料: 米、米麹
アルコール度数: 15.5
価格: 税込2,880円
このお酒に目をつけたのは、このブランド名がきっかけです。八兵衛。そう、あの児童文学の金字塔『ズッコケ三人組』の主人公の1人です。小学校時代、大変に親しんだあのシリーズを思い出し、なつかしくて、つい手にとってしまったんです。かのシリーズのハチベエは私と同じ血液型だったので、三人組の中でも特に愛着がありました。もっとも彼は酒屋ではなく、八百屋でしたが。
山廃とは何かと申しますと、まず日本酒の造り方には二通りあります。自然の乳酸菌を使う生酛(きもと)系と、合成乳酸を用いる速醸酛(そくじょうもと)系です。山廃は前者の一種です。速醸酛で造られたお酒に比べ、味わいもさることながら、酸味がしっかりしているのが特徴です。
「酒屋八兵衛」の山廃純米酒は、口に入れた途端、広がる香りと酸味に何とも言えない上品さがあります。たっぷりなボディ感と、それでいて切れ味も忘れていないバランスが絶妙で、「美味い酒」を飲む幸せを教えてくれました。中部地方と言えばウナギが有名ですが、冬場のウナ重(ウナギの旬は冬です)なんかと合わせたら最高だと思います。
しかし今回、元坂酒造のお酒は90%が県内消費、外に出回ることはめったにないと、初めて知りました。てことは、大阪在住でありながら巡り合えた私は、運が良かったんでしょうか。