紙の質感ゆえ紙袋の使い勝手の良さをキープしながらも、例えば傘などの濡れた物を収納できたり、10キロまでの耐荷重を実現したり、何かと頼もしい。「じゃ、エコバッグでいいじゃん」と思われるかもしれないが、バッグが自立してくれる(エコバッグはフニャフニャしていて、荷物を詰めづらい)という点で、「SIWA|紙和」のバッグに軍配が上がる。
デザイナーは山梨がほこる工業デザイナー、深澤直人。「現代の生活に合う和紙製品ブランドを新しく作りたいという思いから、新しいデザインやコンセプトを求めて依頼した」とは、「SIWA|紙和」ブランドを展開する株式会社大直(山梨)の担当者の弁だ。
かように、そのデザインや素材でどうしても語られがちな「SIWA|紙和」だが、トート・バッグひとつとっても、単純にカバンとして使い心地が良い。つまり素材やデザイン云々を抜きにしてみても、ひとつのカバンとして優良品なのだ。カバンの進化形のひとつでありながら、基本がブレていないという点がもっと評価されてしかるべき、日常使いに適したトート・バッグであろう。