Second (Middle size)
サイズ W 360 × H 240 mm
重さ 約600 g (ヌメ革)
価格 39,000円 (税抜)
はっきり申し上げて、「ソラビー」には、語られるべき薀蓄などまだありません。あるわけがない。強いて語るとするならば、オーガナイザーである関政人さんについて、でしょうか。関政人さんの(ブランドを立ち上げる前の)履歴ですよね。レザー・バッグ・アトリエ「あ房」に2007年から2013年まで勤め、革職人として修行を積まれたそうですが、もともとはネイリストだったそうです。ということは、そのあたりのセンスを活かした(主に女性向けであろう)配色やデザインが、売りのひとつと言えそうです。
私見ですが、「ソラビー」のバッグを見ていると、東京っぽさをなんとなく感じます。シンプルなのに地味というのでもない、微妙な加減。これがもし大阪(特に南大阪)だったらもうちょっと派手になったかもしれませんよね。ちなみに「ソラビー」とは「空」とbe動詞の「ビー」を合わせた造語だとか。
とは言ってもレザー・バッグのブランドとしては(2017年の現時点では)新米同然ですから気軽にお薦めはできません。東京周辺にご在住の方で革小物や革鞄にご興味をお持ちの方は、一度コンタクトを取られてみても良いかもしれませんが、関東地域以外にお住まいの方だと、百貨店の催事くらいしか接点がなさそうです。それなのにムリに、「ソラビー」に行け、とかは言えません。言えるだけの実績も哲学も「ソラビー」にはまだないのですから。
また、関政人さんも、全国区で人気を博そうなどとは思っていないでしょう。恐らくですが。町の革工房のひとつとして、実直に邁進できればいい。壮大な野心など、当面はない。それで良いんだと思います。本来、鞄なんてそういう所で気楽に買ったり修繕してもらったりする物なんじゃないかと。
Sixth (YOC model)
サイズ W 250 × H 260 mm
重さ 約600 g
価格 32,000円 (税抜)
ちょっと「ソラビー」そのものとは関係ない話になりますが、グローバル資本主義のひずみが日本の随所に散見される現代です。このままグローバリズムに従っても我々(の約95%)は豊かになれない。今30代以下の人で、日本がもう一度豊かになると信じている人は、恐らくいないはずです。ましてバブルや劇的な経済成長がもう一度起こるなんて、だれも期待していません。
で、あれば、こういった地域に根付いた仕事、地産地消の考え方というのは、これからの時代においてひとつの切り札たりえるはずです。資本主義の対極にあるのは社会主義ではなく地産地消、自給自足なのですから。「ソラビー」も、そういった次世代の革職人の在り方を先取りしているひとつの例なのかもしれませんね。