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『北原白秋詩集』
日本近代文学の代表取締役・北原白秋のベスト選集

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明治十八年に造り酒屋の長男として生まれたものの、十六歳の時に家を大火で喪失。その傷心から詩歌に没頭し、五十七歳で亡くなるまでに数多くの名作を残した、近代日本文学の重要人物といえばこの人、北原白秋(本名:北原隆吉)の登場である。

中学時代より詩歌に傾倒していた北原は、その後早稲田大学へと進学し、明治三十九年に新詩社に参加。ここで与謝野晶子や与謝野鉄幹、石川啄木らと親睦を深め自らの詩の研鑽にいそしんだ白秋は、二年後に新詩社を脱退。パンの会へと活動の場を移し、明治四十二年、『スバル』創刊に尽力し、同年、処女詩集『邪宗門』を発表。名実ともに「詩人」としてデビューしたわけである。以降、彼はさまざまなジャンルで名作を綴っていく。


『北原白秋詩集』(新潮文庫)
詩:北原白秋
定価:税込380円
昭和二十五年に出版されたこの『北原白秋詩集』に収録されているのは、そんな北原白秋が綴った詩の数々の中から厳選された作品たち。いわばこの詩集はベスト・アルバムみたいなものである。

彼の作風は、ひとことで言えば異国情緒と日本的な美意識のミクスチャー(混合物の意)。岩清水のように澄んでいながら、狂おしい程の官能の匂いも漂わせる。自身、姦通罪で告訴された経験を持つ北原ならではのリビドーとピュアリティゆえ、というところか。

この詩集にも収録されている「おかる勘平」(オリジナルは第三作目の詩集『東京景物詩 及其他』収録)などは、当時の世に風俗紊乱にあたるとされ、発禁処分を受けた詩である(明治四十三年)。

日本近代詩、その代表取締役ともいうべき北原白秋。詩のみならず「からたちの花」などの彼が手掛けた童謡も収録されているので、彼の作品の入門として『北原白秋詩集』はまさに最適なのである。

作家・神西清による解説がついている点も、ポイントが高い。


作品情報

・作者:北原白秋
・発行:株式会社新潮社(1950)
・公式サイト:株式会社新潮社







 

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