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『謎解きはディナーのあとで』
ミステリーに親しむ第一歩として

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普段ミステリー小説を読んでいない人が、何かの拍子にミステリーを読みはじめることってあると思います。誰だって最初は「にわか」であり、ビギナーなものです。ちなみに私のミステリー小説初体験は、シャーロック・ホームズのシリーズ第一作『緋色の研究』でした。小学生の時でしたが、今思うと、超がつくほどど真ん中というか、王道なチョイスだったんですよねぇ。

話を戻します。どんな動機であれ、さぁミステリーを読もうと思ったら、最初の一歩が肝心です。ミステリー慣れしていない人がいきなり松本清張の作品にトライした日には、十中八九「もうミステリーなんて読まねぇ」となるでしょう。『点と線』などは比較的読みやすいですが。とまれ、ミステリー初心者の方は、まずは東川篤哉の『謎解きはディナーのあとで』にトライしてみてはいかがでしょうか。

『謎解きはディナーのあとで』というタイトルだけは聞いたことがあるって人は多いんじゃないでしょうか。人気アイドル・グループ「嵐」の櫻井翔くんと女優の北川景子さん主演でドラマ化されたりしましたからね。ちなみに舞台化もされましたが、その時の主演は、のちに北川さんと結婚することになるDAIGOさんでした。事実は小説よりも奇なり。


小説の内容は、宝生麗子という新米刑事を主軸にしたもの。職場では秘密にしていますが、実は彼女はお金持ちのお嬢様。そんな彼女の相棒が執事の影山。彼は、麗子から事件の話を聞いただけで真相に辿り着ける、いわゆる安楽椅子探偵(アームチェア・ディテクティブ)なのです。頭の切れる執事と、新米のお嬢様刑事が織り成す、ユーモアを交えたミステリーと言えましょう。

なぜ今作が初心者にオススメなのか? メモリー増設したパソコンを思わせるほど、サクサク読める内容だからです。私の経験で言いますと、初体験に海外作品を選ぶのはベストとは言えません。だいたい翻訳家の書く文章って悪文が多いので、読みにくくて仕方ない。外国語大学に通って翻訳をみっちりやった私が言うんだから、間違いありません(笑)。


作品情報

・著者: 東川篤哉
・発行: 小学館(2010年)







 

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