「日本の経済」というと堅苦しく聞こえるかも知れないが、それと一般の社会で暮らす人々を繋ぐブリッジであるかのような記事が特徴。なにしろ創刊は明治時代、西暦で言うと1895年という老舗なので(当時の誌名は『東洋経済新報』)、その信用度は、あらゆる読者層において高い。
週刊東洋経済 2015年 8月1日号
思想というところで言えば、格差社会への批判などがあることから、左寄り、リベラル系に位置すると目される。もっともこれは最近の傾向ではなく、先の第二次世界大戦の戦前・戦中においても、満州事変やシベリア出兵に批判的であった。満州事変に関しては、その後、容認の姿勢へと転換した(1933年)ため、出版停止には至っていない。
ただし、経済専門誌である以上、当然と言えば当然なのだが、市場経済や資本主義には肯定的である。
先述したとおり、財界人、経営者、ビジネスマンなどの視点も去ることながら、一般の暮らしに生きる人々の視点も盛り込んでおり、そのターゲット層は広い。言ってみれば「手が出しやすい経済週刊誌」なので、社会人に成り立ての人が「ちょっと経済誌でもかじってみようかな」と思った時にお薦め出来る。無論、中高年でもそれは変わりない。
週刊東洋経済 2015年 7月25日号