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大神神社
三輪山のふもとにある、日本最古の神社(たぶん)

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こんにちは皆さん。今回もテーマは「神社」です。なんですけど、皆さん日本に神社がいくつあるかって、ぱっと想像つきますか? たぶん皆さんの地元にも、馴染みにしている神社があると思います。子供の頃、お正月になると家族でよくあの神社にお参りに行ったよな、というような神社が。それが全国各地にある。それほど日本には神社がたくさんあるということです。ちなみに日本の郵便局の総数は約24000(2018年)です。

この設問で引っ張っても仕方がないので、答えを言います。日本に神社がいくつあるか。文部科学省によると公的資料に登録されているだけで8万超、登録されていない小さな神社も含めると、10万は下らないと言われています。つまり日本には郵便局の4倍以上の数、神社があるわけです。アンビリーバブルカッター(@松本人志)ですね。

じゃあその10万超の神社の中で、一番古い神社はと言いますと、これは諸説あります。話が有史以前に及ぶものですから、検証しようがない。タイム・マシンの開発が待たれます。

今回言及する奈良県の大神神社もその中の、つまり「最古の神社」と目されている神社のうちのひとつです。字面だけ見てもなんとなく仰々しいというか、ありがたそうですよね。うわ、神って字が2つもあるよ、という感じで。ちなみに大神で「おおみわ」と読みます。「おおかみ」じゃありません。



大神神社 拝殿
出典:Omiwa-jinja haiden.JPG
from the Japanese Wikipedia
(撮影:2013年10月13日)

大神神社は三輪山の西のふもとにあるのですが、この神社の特徴となると本殿がないことになるでしょうか。拝殿はあるんですけどね。説明しておきますと本殿は、神霊を宿した、いわゆる「ご神体」を置いてある建物。拝殿はお祭りや拝礼のための建物のことです。皆さんが神社にお参りするときに、お賽銭を投げたり手を合わせたりするのは拝殿です。

本殿がないということは、ご神体がないということになります。そんな神社、ご利益があるんかいな、と訝ってしまうかもしれませんが、無問題です。大神神社から見える三輪山、この三輪山がご神体にあたるからです。



大神神社の大鳥居と三輪山
出典:Omiwa-jinja ootorii.JPG
from the Japanese Wikipedia
(撮影:2013年10月13日)

なぜそうなっているのか。宗教が宗教として体系化される以前の時代における「古神道」あるいは「原始宗教」と呼ばれる段においては、自然を崇拝するというのが主流だったんです。電気も車も歯ブラシも、文明的なものが一切ない時代のことです。そこで一番の脅威となるのは何か。自然です。人間を気まぐれに生かし、気まぐれに殺す、大いなる自然(それは今でもそんなに変わっていないように思いますが)。自然を畏れ、自然を祀る。それが当たり前だったのです。

なぜ三輪山をご神体(神体山)とするのか、確かなことはわかりません。でも当時の人々にとって、山は自然の恵みをもたらす大切な存在であり、同時に、気まぐれに人間やそのコミュニティの営為を脅かす畏怖すべき存在でもあったのではないかと思います。

現在でも三輪山は「神の山」として大切にされていて、うかつに入山するなどはできません。しかるべき手続きに従い、入山許可をとりつけないと入れない聖域になっています。聞くところによると、山中では写真撮影や喫煙はご法度だとか。いいですね、そういうの。インスタ映え? 知るかそんなもん、このバチ当たりが、という清々しい感じがします。






 

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