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■ 2月28日から3月30日にかけて、「靴」をフィーチャーします。







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リーガル・キッズ
ある種の高嶺の花であるかもしれない

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先生(以下、S):こんにちは。一頃に比べるとだいぶ暖かくなってきましたけど、いかがお過ごしでしょうか。本日はアシスタント(=A)と一緒にああでもないこうでもないと述べていく形でやっていきたいと思います。こういう形でクツ編をやるのは、初めてになりますかね?

A:そうですね、お菓子とか漫画では、たびたびやりましたけど。ところで、今回は何についてやるんですか、先生?

S:リーガルってあるでしょ? ビジネス・シューズというか、フォーマルな靴というかのブランド。あそこの子供向け靴です。

A:はいはい。って公式サイト見たら何種類かありますけど、これ全部一万円以上するじゃないですか、先生。



リーガルキッズ フォーマル ベルト
色:ブラック/サイズ:14.0-18.0cm
税込11,000円(2025年2月時点)

S:しますね。

A:今時、子供用の靴に一万はなかなか出せませんって。子供って成長が著しいから、どうしても買い替えの頻度が大人より高くなりますからね。ましてやフォーマル用なんて、一年に何回履くことがあるのって話ですから。そうなると、まぁ大抵の人は一万も出せないですよ、先生。

S:そうだねぇ。実質賃金がずっとマイナスだから、おおかたの家庭で子育てにかけるおカネは節約される一方だろうし。そうなるとなかなか手は出ないよね。というところで、今やある種の高嶺の花であるかもしれない「リーガル・キッズ」を主題にしてみようと。

A:ハイブランド的な位置づけでやるということですか、先生?

S:いや、一応子供向けの靴としてこういう選択肢もあるんですよってことをね、やっておこうと。ところでリーガルってどう? どんなイメージ?

A:イメージですか? いや、特にはないですけどね。なんとなくですけど、大衆的なビジネス・シューズって感じじゃないですか。中高年の男性が自宅に一足は持ってるというような。だから余計に、そのリーガルと「子供向け」が結びつかないって所はあります、先生。

S:なるほど、そうかもね。リーガルは、もともと十九世紀後半にアメリカでできたブランドだったんだけど、二十世紀初頭に創業した日本製靴という日本の靴作り会社が、昭和三〇年代半ばにリーガルとライセンス契約を締結して、ここで「日本の製靴会社がリーガルというブランドの靴を作る」体制ができあがった。その後、リーガルの靴は昭和後期の日本のサラリーマンを、文字通り足元から支え続けたわけです。昭和が終わった平成序盤、リーガルの商標自体を買収し、同社は「リーガルコーポレーション」になりました。

A:当時の日本はエコノミー・バブルで、アメリカは日本経済を敵視していたと聞きますけど、リーガルが日本の会社に買収されたことも、そういう摩擦の一因だったりするんですかね、先生?

S:そこは分からないな。確かに、当時は日本の自動車産業がワールドワイドに飛躍していて、アメ車は総じて劣勢に立たされて、それでアメリカ国内では日本車をハンマーで叩き壊すパフォーマンスが人気を博したとかはある。今、アメリカはトランプ大統領が再選したことによって政治的に大変混乱していると言われるけど、当時だってアメリカは「何やってんだ?」な国ではあったと思うんだよね。ただ、当時のアメリカ人がリーガルをどう思っていたかはよく分からない。だからなんとも言えないな。

A:煮え切らない回答、ありがとうございます。ところで、リーガルの靴ってクオリティー的にどうなんですか、先生?



リーガルキッズ フォーマル ストラップ
色:ブラック/サイズ:14.0-18.0cm
税込11,000円(2025年2月時点)

S:総じて良いと思うよ。日本製靴社は、二十世紀の前半は軍靴の生産を担っていたという会社で、それくらい長く続いてきた組織なんだから、製靴技術の蓄積は相当だろうし。ただ、同社の公式サイト(二〇二五年二月時点)の会社概要に「代表ご挨拶」とあるのが多少気になるけどね。フツー、会社の人間が身内を紹介する時に「ご」は付けないでしょう。だから、リーガルってもしかしたら役員による強いワンマン体制が敷かれた会社なのかなと思ってしまうところはあります。

A:なるほど。まぁ会社体制としてどうかは分からないけど品質としては良いはずだと。だから子供用の靴で一万以上するんでしょうけど、でもやっぱ手は出しにくい価格帯です、先生。

S:今の親世代はどうしてもね。もちろん、ない袖は振れないだろうし、それはそれでいいんだけど、子供に「しっかりしたもの」を持たせてあげたいって考える人もいるから。だから、「こういう選択肢がありますよ」ということは提示しておいてもいいのかなと思います。ただ、リーガルの靴がしっかりしているかどうかは、やっぱり店先で大人が実際に見て確認した方がいいでしょうけどね。もう「歴史のあるブランドだから大丈夫だ」とは一概に言えない世相なのかなという気もしますし。

靴・リーガルコーポレーション公式オンラインショップ




 

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