赤ちゃんが生まれ、よちよち歩きでも歩けるようになった頃に初めて履く靴のことをファースト・シューズと言います。文字どおり、その子にとって最初の靴という訳ですから、赤ちゃんのみならず、親御さんにとってもメモリアルなアイテムというわけです。靴の本場・ヨーロッパでは、その子のファースト・シューズを大切に取っておき、独立する際に成長の証として親から子へ手渡す風習があるのだとか。
東京・浅草に佇む革靴の工房「ZAPATEO(サパテオ)」。スペイン語でステップや靴音という意味の単語が冠せられた此方の工房が擁する革靴職人が、野田満里子さんです。大学ではデザインを専攻し、いったん就職した後に革靴を作ることに魅せられ、働きながら製靴学校に通ったそうです。丁度21世紀に入ったあたりから靴職人として活動をスタートさせ、以降、今日に至るまで多種多様な革靴・革グッズをコンスタントに製作・発表しています。
「サパテオ」というブランド名には、それを履いてステップを踏みたくなるような、楽しい気持ちになる靴を作りたい、という野田さんの願いが込められています。そんな彼女が作るわけですから、セミ・オーダーながら「サパテオ」のベビー・シューズはタダの靴にはとどまっていません。デザイン、色調から仕上がりにいたるまで、彼女のこだわりが貫かれています。