香川・黒田商店の草履
無数のサンプルから、あなただけの草履を
着物を着用するにあたって、考えなければいけないのが履物です。現代日本でいかに市民権を得たからと言って、スニーカーやレザー・ブーツではとうていファッションとして成立しないでしょう。
とはいえ、草履などの、いわゆる鼻緒のある履物を買う時に、こう考える人は割と多いのではないでしょうか。「デザインは良いけど、鼻緒とかで指がこすれるのはイヤだな」と。鼻緒などは、買った後でカスタム・チェンジを施すのも億劫になりがちですからね。
香川県・高松市にある黒田商店は、大正5年より彼の地に息づく履物専門店ですが、そんな草履における心配を吹き飛ばして、あなたに快適な草履ライフを約束してくれます。
まず店内に入って、何がおどろくと言って、そのラインナップの豊富さ。鼻緒ってこれだけの種類の多さがあったのか、と軽いカルチャー・ショックを感じます。中には鼻緒を作って余った生地でこしらえた帯留めなどもありますが、いずれもデザインと質感において秀逸。
スーツを仕立てるテイラーへ赴いたような感覚で、自分のお気に入りの素材やデザインの履物(草履の他に下駄やワラジなどもお店にはあります)を心ゆくまで吟味できるのは、ファッションにおける快楽を堪能させてくれます。香川というとウドンや讃岐コーチンを思い浮かべる人も多いかと思いますが、鼻緒のある履物もまた名産品と言えるのではないでしょうか。
現在は3代目に当たる黒田重憲さんと、その奥さまである恵さんを筆頭として、全国のギャラリーやイヴェントでのPR活動を行なうかたわらで、「日常で使いやすい履物」の発展にも余念がありません。最近ではウォーキングやデイリー・ユースを目的とした『マイソール下駄』を独自に開発し、ニューヨークやシンガポールなど海外で実演販売をしているそうです。
外反母趾の予防や足腰の強化に良いとして近年では再評価される草履ですが、どうせ選ぶなら自分にとってベストな物を、という方にはオススメのお店です。
お問い合わせ先
・店名: 黒田商店
・住所: 〒760-0053 香川県高松市田町8-12
・電話: 087-831-5758
・営業: 9:00 - 18:00
・休日: 水曜不定休、日曜、祝日
・公式サイト: 黒田商店
「ベンチ・メイド」
一生、あるいは半生を共に歩む伴侶としての靴
会津桐下駄
会津地方に伝わる、桐下駄の最高峰