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青森ねぶた祭
青森を代表する夏祭りは、眠気防止のため?

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どこの誰がどうやって決めたのか知らないが、日本三大祭りというのがある。京都は八坂神社の祇園祭、大阪天満宮の天神祭、そして東京の神田神社でおこなわれる神田祭の三つが、それにあたる。

そう言っても、日本は昔から八百万(やおよろず)の神といわれるほど、あっちこっちに神さまがいるとされているわけで、当然、読者の住む地域によって、この三つが三大祭りに選ばれていることには、合点がいかないなどは出てくるだろう。

たとえば東京都民の中でも、「神田祭たぁ笑わせらぁ。東京の祭りっていやぁ、佃島の盆踊りで決まりだろ」という人もいれば、「いや、何つったって、浅草の三社祭の方が、威勢がいいぜ」と、のたまう人もいるはず。もっと東北の方、青森の人は、「なに言っちゅうんずや。わぁんどこの、ねぶた祭りの方が、わや有名だべや」と言うにちがいない。



確かに、ねぶた祭りは東北地方、いや、東日本の祭りの中で、一番の知名度を誇るだろう。しかしいくつかの分かりにくい要素をはらんでいる点が残念だ。たとえば、そもそも「ねぶた」の意味が大半の日本人に通じないし、青森市の「青森ねぶた祭」や弘前市の「弘前ねぷたまつり」など、「ねぶた」と「ねぷた」があるのも、外部の人間には分かりにくい。

順番に説明しよう。「ねぶた」とは、端的に言うと灯籠のことである。無病息災を祈り、自らのけがれや眠気を川や海に流すべく、夏場には灯籠流しや七夕祭りが各地で行われるが、この亜流のひとつが、ねぶた祭りと位置づけられる。語源は諸説あるが、一説には、眠り流しの「眠り」が「ねぶた」や「ねぷた」に転訛したのだとか。昔日の人々は、夏の眠気は病気や災厄を招くと考えていたのだ。



歌舞伎や歴史物語を題材にした人形タイプの灯籠が、そのまま、ねぶた祭りの目玉となるわけだが、やはり祭りは観るだけでは面白みがない。ハネト(踊り手)の衣装に身を包めば、誰でも参加できるので、(青森市のねぶた祭の場合)8月2~7日の開催期間中には、おもいきって参加してみて欲しい。ねぶた祭りが、なぜこれほどまでに有名になったか、その真髄が感じられるはずだ。




写真提供:青森観光コンベンション協会
参考文献:那須正幹「ズッコケ三人組の神様体験」ポプラ社(1996年)


青森ねぶた祭 オフィシャルサイト




 

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