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■ 9月30日から10月30日にかけて、「郷土料理」をフィーチャーします







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明石焼き
「たこ焼きと玉子焼きのハーフ」?

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ポピュラーそうで意外とポピュラーではない郷土料理、となると、私の場合は明石焼きが思いつく。その名に明石と冠せられている通り、兵庫県は明石市の郷土料理である。関西では割とポピュラーな料理だと思うのだが、全国的にはそこまで知られていない印象がある、というか。

明石焼きとはどんな料理か? 平たく言えば、たこ焼きと玉子焼きのハーフ。そういう説明になるのではないかと思う。実際、明石の地元民は「明石焼き」とは呼ばずに、「玉子焼き」あるいは「たま焼き」と呼んでいる。明石焼きという呼び名は、もしかすると地元ではNGなのかも知れない。その点で、広島焼きと似ている気もする。

レシピは、人によって、あるいは地域によって様々である。しかし、小麦粉を使ったいわゆる「粉モン」であることに変わりはない。



明石焼き(玉子焼き)
File: Tamagoyaki.jpg
from the Japanese Wikipedia
(撮影:2006年10月14日)

さて、私は明石焼きを「たこ焼きと玉子焼きのハーフ」と前述した。そのくらい見た目はたこ焼きに似ている。具だってたこだし。じゃあたこ焼きと変わらないんじゃないか。そう思う手合いもいると思う。しかし、もちろんたこ焼きとは似て非なるものである。

明石焼きとたこ焼きの最大の違いは、たこ焼きは基本的には小麦粉だけで生地を作る。それに対し、明石焼きは生地に何個も玉子を使う。だからこそ地元では「玉子焼き」と呼ばれているのである。

なぜそんなに玉子を? となると、これにもまた必然がある。明石の特産品に「明石玉」という装飾品がある。この飾り物が盛んに作られていたのは江戸時代後期のことであるが、その工程においては(着色などのために)大量の卵白が必要とされた。それは当時の技術的に仕方がなかったのだが、そうなると当然、大量の卵黄が余ることになってしまう。それを捨てるのはどう考えても勿体ない。そこで「卵黄を使って何か作れないか」と生み出されたのが明石焼きなのである。

そのルーツを思えば、明石で「たま焼き」と呼ぶ人がいることも合点が行く。明石焼きは「明石玉から派生したもの」なのだから。

さて、作り方である。小麦粉と玉子、そして小麦粉のデンプンを精製した「じん粉」と呼ばれる粉を使って生地を作り、それを専用の焼き器で焼く。出来上がった明石焼きはだし汁につけて食べるのが一般的である。その食感は、品があるというかまろやかで、一説によると、この明石焼きを参考にして20世紀前半の大阪でたこ焼きが開発されたとも言われている。



明石焼き(玉子焼き)
File: Akashi-yaki at Akashi01s.jpg
from the Japanese Wikipedia
(撮影:2010年5月8日)

ちなみに、地元の人が「玉子焼き」あるいは「たま焼き」という呼称を使うのには、実際的な理由もある。というのも、やはり江戸時代後期の明石では、陶器(焼き物)の「明石焼き」が特産品だったからである。江戸時代が終わり明治になると、この焼き物は海外に輸出されるまでのポピュラリティを獲得したと言われている。そりゃ食べ物のほうも「明石焼き」じゃ、まぎらわしいにも程がありますわな。





 

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