ほうとうは、山梨県の郷土料理です。
どういう料理かといいますと、小麦粉を練り、それをざっくばらんに切って、太めの麺にします。その麺を野菜と一緒に(味噌仕立ての)スープでぐつぐつ煮込みます。
これで出来上がりです。
冷めないうちに食べます。

山梨県のほうとう
File: Houtou.jpg
from the Japanese Wikipedia
(撮影:2006年3月16日)
こう書くと、ほうとうに馴染みのない方は「要するに、うどん?」と思われるかも知れませんが、山梨では「うどん」と「ほうとう」は全くの別物、一線を画した一品として成立しているのだそうです。
「ラーメン」と「ちゃんぽん」くらい違う、みたいなものかも知れません。
煮込み料理の一種ですから、だんだん寒くなるこれからの季節、山梨の人にはほうとうは欠かせないのではないでしょうか。

山梨県河口湖から見た富士山(春)
File: Lake Kawaguchiko Sakura Mount Fuji 3.JPG
from the Japanese Wikipedia
(撮影:2010年4月18日)
以前は、ほうとうはその家庭ごとに味付けやレシピが微妙に違っていて、それを親から子へそれぞれに受け継ぐ習わしがあったと言います。
一子相伝? ですかね。
なんでもかつて山梨では「ほうとうが打てないと、嫁入りはできない」とまで言われていたみたいです。きっとその家庭ごとにオリジナルな「ほうとう」があって、それを皆さん、親から子へ継承していたんでしょうね。
今では、ほうとうは「外食で食べる」とか「麺もスープも店で買う」になってしまっていることも多いようです。で、そうなるとどうしても家庭ごとの味は薄まり、似たような味があちこちに散在するようになっているのだとか。
産業化による画一化と言いますか。
それはそれで手軽で良いかも知れませんが、でも「家庭の味」や「郷土の味」が着々と失われてしまうのは、寂しい気もしますね。