こんにちは皆さん。本日のお題は、大阪に本社を置く(本社が存在するというだけで、実質的には無国籍企業なんですが)グローバル製菓企業、江崎グリコの「ポッキー」です。
「ポッキー」は、実は串カツをモデルにして開発されたそうです。でも、そう言われても、そもそも串カツの方がピンとこない。そんな方もいるかもしれません。私だって急にはピンとこない。そりゃ串カツは大阪名物で、私は大阪生まれの大阪育ちですが、だからと言って馴染みがあるかというと、それはまた別の話です。食べたことないですから。本当に。
話を戻しましょう。まず「ポッキー」とは何か。同社が1966年以降、継続的に製造、販売しているスティック状のお菓子です。基本的にはスティック状のビスケットなんですが、その5分の4くらいはチョコレートでコーティングされています。残りの約5分の1は何もコーティングされていません。
2019年現在、お菓子の多くは消費者に敬遠される傾向があるそうです。多くの人は日常的にスマホをいじるので、勢い、指が汚れるお菓子は大半の消費者にとってNGだと、どうもそういうことらしい。まぁこれは仕方ないでしょうね。指が汚れていたら当然、液晶画面も汚れるし、タッチパネルの反応も鈍化してしまいます。普通はそんな状況、歓迎しませんよね。そんなわけで製菓業界はあれやこれやと暗中模索を余儀なくされている━━らしいです。
もっともこれは今日に限った課題ではありません。江崎グリコが「ポッキー」を開発した1960年代にも表面化していた課題なんです。
「ポッキー」の開発にあたっての一番の思案どころは、チョコレートと、消費者の利便性の折り合いをどうつけるかでした。当初はスティック全面にチョコレートを塗布しようとしましたが、それだと消費者の手がすぐチョコでべとべとになってしまうからよろしくない。じゃあ一本一本銀紙で巻くというのはどうでしょうか。ううん、それだとコストが高くつくから、お財布に優しくないよね。
思案投げ首、紆余曲折の日々。そんなある日、串カツがヒントになりました。串カツは、串を持つから手に油がつかない。同様に、一部分だけチョコを塗布せずに残して、そこを持つようにすれば手はべとべとにならずに済むじゃないか。エウレカ! と開発者が叫んだかどうかは寡聞にして知りませんが、かくして「ポッキー」は1966年、現在の形で世に出たのです。
大阪「だるま」店の串カツ
出典:KushikatsuDaruma01.jpg
from the Japanese Wikipedia
(撮影:2015年1月7日)
今では、いちご風味のチョコレートを塗布した「いちごポッキー」や、「アーモンドクラッシュポッキー」、「極細ポッキー」など、いくつものヴァリエーションが展開されています。
ちなみに「ポッキー」という名前ですが、これは棒状の物が折れるときの「ポキッ」あるいは「ポッキン」という音から取った、オノマトペ的名称とのことです。一部の国ではこの「ポッキー」という単語が、公に出すには若干はばかられる意味を持つらしく、ために商品名を変えて販売されているケースもあるそうですが。