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■ 2月29日から3月30日にかけて、文房具をフィーチャーいたします。







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長崎の調味料
海と魚で調味料? な町

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今年(2017年)もお盆が終わりました。日本各地、さまざまなお盆の行事があったと思います。もっとも日本は広いもので、中には(大阪人にとっては)いささか驚きの風習もあります。長崎ではお墓参りに爆竹を持っていって墓前でドンパチするのがデフォ(普通)だそうです。いいなぁ、楽しそうで。ぜひ混ざりたいですが、残念ながら長崎に参るべきお墓がありません。ガッデム!

罰あたりだわ、どん引きだわ、という人は多様性に対する理解が足りません。長崎は歴史上、中国やポルトガルなど諸外国との貿易の窓口になってきた町です。日本が清朝の真似をして鎖国していた時期にも、長崎は諸外国とコネクトしていたのです。つまり外国からの風習が長い時間をかけて根付く、長崎にはその土壌があった。墓前爆竹も、その舶来風習の名残かと思われます。花火や火薬というのは日本ではなく中国で発展したものですからね。墓前でドンパチが長崎では当然なのです。古人いわく郷に入っては郷に従え、と。郷です!



「軍艦島」とも呼ばれる端島(長崎市)

そんな長崎の調味料ですが、歴史的にはともかく長崎の地理的な特徴は何か。それは北海道に次ぐ長い海岸線を持った県であるということです。つまり海産物が豊富。実際に長崎のスーパーに行くと、これまた大阪の者には驚きのことですが、鯨が普通に売られているのです。長崎と聞くと、カステラやちゃんぽん、佐世保バーガー、トルコ風ライスなどが名物として浮かびがちですが、じつは魚料理がべらぼうに美味しい町なのです。いや、私は生魚が食べられないので、ありがたみも半分ですが。

魚を発酵させてできる「平戸魚醤油」(長田食品)などは、まさしく長崎らしい調味料と言えるかもしれません。原料は、カタクチイワシと鰹節、昆布、食塩のみ。マイルドな口当たりで、炒め物などにうってつけだそうです。けっして伝統の調味料というわけではありませんが、地の利を活かした長崎ならではの一品と言えそうです。



平戸魚醤油(150ml)税込800円

また海の町ですから、海水から作られる塩も忘れてはなりません。赤島沖合の海水から作られる「玄海の塩」((有)玄海塩の会)や、中通島の沖合の海水を用いた「ごとう」(五島塩の会)などなど。長崎は半島や島嶼が多いため、塩田に向いた地が少なく、かつては瀬戸内海の塩を輸入しなくてはなりませんでしたが、工業技術の発展により長崎にも塩作りが根付いたのです。





 

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