1930年の創業以来、長野県で味噌を作り続ける武田味噌。いくつもの定番商品を有する武田味噌ですが、彼らの味噌を堪能する折に先ず味わって頂きたいもの。それが「特選銘醸」です。
古くは戦国の世より、信州の地では味噌作りが盛んだったと言います。戦国の兵士たちの縄は、里芋の茎を縄にして味噌で煮たものだったそうで、それを適当な長さに切って、兜を鍋代わりにしてお湯を沸かし、そこへちょん切った縄を入れれば簡単に味噌汁が出来上がり、という感じだったそうです。確かに、生き延びるには食料が大切ですからね。
現在の日本においても、消費されている味噌全体の、実に約40%が信州味噌なのです。
では信州味噌とは何か、ですが、ざっくばらんに言えば、米こうじと大豆から作られる米味噌の一種です。くだんの「特選銘醸」は、十二割こうじ、つまり大豆10に対して米が12という、ゴージャスな味噌ということです。ちなみに、信州味噌の一般的なこうじの割合は大豆10に対して米の量が8程度。こうじ歩合の割合が高くなるほど、甘味とこうじの香りが強くなるそうです。甘口ではありますが、しっかりとした熟成措置がとられているため、その味わいは極めて濃密です。